湿疹・皮膚炎

今回は、湿疹および皮膚炎についてご紹介します。まず、湿疹とは皮膚で生じる炎症のことで、別名を皮膚炎といいます。皮膚科でしばし目にする皮膚炎を3つ挙げたいと思います。

まずは手湿疹について述べます。湿疹・皮膚炎の中でも、最も多い頻度で見られるのが手湿疹ではないでしょうか。
手湿疹とは、手に限局する湿疹および皮膚炎のことを指します。
手は全身の他の部位と比べて皮脂腺がないため乾燥しやすいこと、そして汗腺が多いため経皮から異物を吸収しやすく、アレルギーを獲得しやすい環境であることがあげられます。

手湿疹に罹患すると、まずは手掌や手指などに患部が肥厚、角化が見られます。
その後、患部の乾燥、次第に亀裂が生じることもあります。
別名を主婦湿疹といい、その名前から主婦に多いと思われがちですが、手洗いを頻回に実施する医療・介護関係者、美容師、調理師などにも多く発症する傾向があります。
洗剤や石鹸などが原因物質となって引き起こされることが多く、理由として洗剤の主成分である界面活性剤の影響が原因のひとつとされています。

二つ目は、汗疱です。手指の側面に小水疱が多く発症され、アトピー性皮膚炎の既往がある方に発症しやすいといわれています。
特徴は、手指の側面に掻痒を伴う小水疱の形成を認めることです。
再燃を繰り返すことが多く、中でも夏の時期に好発することから発汗との関連性が疑われています。

最後が、接触皮膚炎です。いわゆる「かぶれ」のことで、刺激性のものと、アレルギー性のものの2つに分類されます。
刺激性の皮膚炎は、特定の物質を接触することで引き起こされ、誰にでも生じる可能性のある湿疹です。
一方で、アレルギー性の皮膚炎は、ある特定の物質が原因となって引き起こされます。
原因物質は多様で個人差があるものの、中でも金属、ラテックスなどのゴム製品、マンゴーなどの南国系の食物、化粧品、医薬品などが原因となることが多いです。

主な症状は、原因物質と触れた部位の水泡、紅斑、丘疹、掻痒です。
増強すると、浸出液やびらん、疼痛を伴うこともあります。
接触皮膚炎は、皮膚科医の問診および視診によって診断されます。
原因物質は多岐にわたり特定できないことが多いため、考えられる物質を避けることが第一選択といえるでしょう。
場合によっては、皮膚科でパッチテストを実施することもあります。
特に、ピアスなどのアクセサリー、腕時計、歯科金属などの金属が原因物質と考えられる場合にテストが有効とされているため、特定の金属によるかぶれがありパッチテストを希望される方は、事前に皮膚科へお問い合わせください。

主な治療方法ですが、基本は患部の保護とスキンケアです。乾燥が見られる場合はワセリンやヘパリン類似物質が含有された保湿剤を塗布しましょう。
小水疱や皮疹を伴う場合は、ステロイド外用薬の塗布も効果的です。
掻痒が強い場合は、抗アレルギー薬の内服治療も良いでしょう。
しかしながら、先ほど述べたように原因物質を避けることが第一選択です。職業上の理由で原因物質の制限治療が困難な場合は、一度皮膚科医へ相談しましょう。

一般的に、湿疹および皮膚炎は軽微な皮膚疾患と思われがちです。
しかし、アトピー性皮膚炎を含め、他の皮膚疾患との判別が困難な場合もあります。
さらに、全身性の湿疹・皮膚炎として脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、うっ滞性皮膚炎、自家感作性皮膚炎等多くの皮膚疾患があげられます。
治療を希望される方を含め、上記疾患を疑っている方、スキンケアの方法を知りたい方は、皮膚科への受診をお勧めします。

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