尋常性白斑(白なまず)

本稿では、尋常性白斑について紹介したいと思います。この記事をご覧の方は、尋常性白斑、いわゆる「白なまず」という皮膚疾患を耳にしたことはありますか。尋常性白斑とは、境界明瞭な皮膚の一部の色素が白く抜ける疾患です。尋常性白斑が生じると皮膚に白い斑点ができます。大きさや形はまちまちで、場合によってはかなり大きくなることがあります。ちなみに、痛み(疼痛)、痒み(掻痒)などの自覚症状はなく、他の人に伝染することはありません。

この尋常性白斑の症状ですが、原因は不明です。現段階で分かっている事は、メラノサイト(色素細胞)が自律神経失調症やストレスなどの何かのきっかけで破壊される、あるいは色素が合成されていく過程の機能が停止していることが原因と言われています。中でも、頭部・顔面・首・腕・手などの露出部位などに発症する場合が多く、白斑部と正常な皮膚との境界部は逆に色素が増強し目立ち易いのが特徴です。

たとえば、白髪は頭部のしろなまずと言ってよいでしょう。また、尋常性白斑の罹患者は甲状腺機能亢進、糖尿病などを合併していることもあります。白斑が発症する確率は全人口の1~2%と言われ、日本ではおよそ120万人から240万人の方が罹患していると言われています。発症年齢は、20代を中心に10~30歳代に発症するケースが多いといわれていますが、高齢者でも見られます。ちなみに、男女差はほとんどありません。尋常性白斑は、発症した場所により、限局型、分節型、汎発型の3つの型に分けられます。これから、この3つの型について述べたいと思います。
〇限局型
1個から数個の白斑が、皮膚の一部分に限って出現しているものをいいます。大きさは数センチまでが大半で、白斑部位への機械的な刺激や皮膚の炎症がきっかけとなる事が多いといわれています。

〇汎発型(はんぱつがた)
尋常性白斑の中で最も多い種類で、身体のあらゆる所に白斑が出現するものをいいます。ただし、限局型の白斑の経過中に全身のメラノサイトが破壊された場合は、限局型は汎発型に移行することもあります。

〇分節型
皮膚の神経に沿って白斑が発症し、主に身体の片側にだけに発症する場合を分節型といいます。また、白斑部には白毛を伴うことが多く見られます。 汎発型に比べると、治りにくい傾向にあると言われています。
いずれにしても、尋常性白斑が生じた場合は、まずは化粧品などの外用剤の影響を疑います。しかし、思い当たることがない場合は皮膚の問題ではなく、ストレスを取り除くなど身体全体から見直していく必要があるといえるでしょう。

尋常性白斑と診断される方の多くは、外用薬を塗り込んだ部位や化粧品を使用した部位の皮膚が突然白くなったと皮膚科を受診されます。まずは外用薬での治療が第一で、外用薬の種類には、ステロイド外用剤、免疫抑制薬、ビタミンD含有の外用薬等があげられます。処方された場合は、必ず医師の指示によって使用してください。

改善がない場合は、レーザーでの治療を検討します。大きく分けて、PUVA療法とUVB療法の2つがあります。PUVA療法とは、ソラレンというお薬を内服や塗布、あるいは湯に溶かせて入浴します。その後に波長の長い紫外線(UVA)を照射して皮膚に反応をおこさせ、各種の皮膚疾患を治療する方法です。治療は週に1~2回の割合で実施しますので、定期的な通院が必要です。UVB療法の中で最近、注目されている紫外線療法としてナローバンドUVB療法があります。治療経過や、治療方針については、かかりつけの皮膚科医に相談しましょう。実施できる設備等が限られますので、レーザー治療を希望される場合は事前に医療機関へお問い合わせすることをお勧めします。

 尋常性白斑(白なまず)を疑っている方、および目黒近辺で皮膚科をお探しの方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒を御利用ください。尋常性白斑の診断および整容的な皮膚疾患についても、皮膚科医がアドバイスいたします。

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