コラム

保湿剤について

 寒い時期に突入し、肌の乾燥が顕著な時期になりました。これから、ハンドクリームなどの保湿剤を使用する頻度が増えますね。しかしながら、保湿剤の塗り方など、詳しい方法は知らないまま使っている方が多いのではないでしょうか。今回は、そんな保湿剤の種類や用法についてご紹介したいと思います。

〇基剤について
外用薬の基剤は、クリームと軟膏に大きく2分されます。軟膏とクリームの違いは、クリームは水が含まれていて油と混交していますが、軟膏は油のみでできており水分が含有されていない点です。クリームが軟膏に比べて塗布しやすく、塗布しやすいのはそのためです。クリームは、軟膏に比べ肌に吸収されやく、早く効果が出ます。夏など、特にべたつきが気になる場合は、使用感を考慮して軟膏からクリームに基剤を変える場合もあります。その一方で、軟膏はコストが安く、刺激感が少ないため経済性や安全性の面で優れています。好みで選ぶ場合も多いのですが、患部の状態によっては安全性の面から軟膏を選択する場合も多く見られます。

〇用法について
軟膏やクリームなどの外用剤は塗る回数が決まっています。塗る回数が少ないと十分な効果が得られないことや、逆に塗る回数が多いと副作用が出ることもあります。ただ、薬によっては1~数回などと書かれている場合があります。塗布の回数やタイミングなどは医師に相談しましょう。そして、薬剤を受け取った後は、医師や薬剤師から説明された回数や処方箋に記載された用法を必ず守って塗布しましょう。

〇塗布する順番について
軟膏やクリームが複数処方されている場合では、医師から説明された順序を守って塗って下さい。一般的には、塗る面積の広い方から先に塗ります。たとえば、ステロイド外用剤と保湿剤が処方された場合は、塗る面積の広い保湿剤から先に塗り、後からステロイド外用剤を病変部位のみに塗ります。薬剤や肌の状態などによっては順序が異なる場合もあるので、不安な点がある場合は医師に確認しましょう。

〇塗り方について
軟膏やクリームは、全体に塗布する保湿剤と患部のみに塗布するステロイド等外用剤によって塗り方が異なります。ステロイド外用剤のように患部のみに擦りこむように塗布します(『塗擦』と呼ばれます)。これに対し、スキンケアに使用する保湿剤や、筋肉痛に使用する消炎鎮痛剤では優しく伸ばして塗ります。また、外用薬は可能な限り皮溝にそって横方向に塗布すると効果的です。使用方法について不明な点がある場合には、皮膚科医等に確認してみるのがよいでしょう。

〇副作用について
最も多い副作用は、かぶれなどの接触皮膚炎です。軟膏やクリームを作る際に配合された添加物が引き金となって起きることがあります。もし、軟膏やクリームを使用中に、湿疹やかぶれなどが生じた場合は、使用した薬剤を持参して皮膚科医へ相談しましょう。
最近では、ヘパリン類似物質が含有された処方薬が保湿を含めて美肌に効果があると噂されています。確かに、ヘパリン類似物質は皮膚の血行を改善し、乾燥を予防する効果はあります。しかしながら、それ以上の効果は不明確です。何よりも処方薬は医師の診断に基づき、病名が確定した後に処方されるものです。そのため、処方薬を美容目的で必要以上に受け取ることは控えましょう。現在では、市販の保湿剤に保湿力が高いものが数多く発売されていますので、市販の保湿剤を塗布しても改善がない場合のみ、皮膚科医の判断を仰ぎましょう。

保湿剤の詳しい使用方法やスキンケアの方法など、相談したいことがある方は、土曜日・日曜日も診療しているあいおいクリニック皮フ科アトレ目黒へお越しください。

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接触皮膚炎

本日は、接触皮膚炎についてご紹介します。接触皮膚炎とは、いわゆる「かぶれ」のことです。この記事をご覧の方のなかにも、化粧品や金属など何かでかぶれた経験がある人はいらっしゃるかもしれません。皮膚疾患のなかでは、比較的身近な病変といえるでしょう。

接触皮膚炎は、刺激物質などが皮膚に接触することで発症してしまう湿疹性の炎症反応のことを示し、刺激性とアレルギー性に大きく分けることができます。さらに、光線の関与したタイプを加えて、
(1)刺激性接触皮膚炎
(2)アレルギー性接触皮膚炎
(3)光接触皮膚炎に分類できます。

(1)刺激性接触皮膚炎
角層は、皮膚を外界から守るバリアの役割を果たしています。しかし、乾燥や外傷などによって角層の障害がおこると、皮膚に接触した石けんや化学物質などの皮膚を刺激する物質が障害部位から侵入して角化細胞を刺激して炎症が起こると考えられています。こうした一連の反応により、アレルギー体質でない人でも皮膚への刺激により起こってしまうかぶれと考えられます。

(2)アレルギー性接触皮膚炎
ウルシ、ニッケルなどが皮膚について皮膚炎を起こすことで生じます。アレルギー性接触皮膚炎の発症には、抗原にかぶれてしまうパターンと、かぶれた後に抗原が再度皮膚に接触して炎症を起こす2パターンがあるとされています。抗原に感作されたアレルギーのある方のみにかぶれが起こります。

(3)光接触皮膚炎
皮膚にある物質が接触して、さらに光が照射されることで生じます。

接触皮膚炎は、皮膚科外来においてポピュラーな皮膚疾患の一つです。接触皮膚炎の原因は、外用薬の頻度が高いといわれています。中でも、抗菌薬や非ステロイド系消炎薬の外用薬など、医薬品によるものの頻度が高いです。ステロイド外用薬によるものも稀に見られます。もし、これらの外用薬が湿疹等で使用された場合は、症状の悪化をもたらす可能性があり、接触皮膚炎との判別が困難になることも考えられます。そのため、診断については皮膚科医の判断を仰ぎましょう。医薬品の他に接触皮膚炎をおこしやすいものとしては、化粧品、染毛剤、薬用歯磨きといった医薬部外品が挙げられます。

また、接触皮膚炎の診断において、アトピー性皮膚炎などの他の湿疹性疾患と鑑別することが大切です。さらに、接触皮膚炎の治療で最も大切なことは原因となるアレルゲン、接触刺激因子を見つけ出し除去することです。そのためには経験のある皮膚科医による詳細な問診が必要です。その問診により推定された最も可能性の高い原因物質を除去することが重要です。ちなみに、治療は患部の炎症を抑えるためにステロイド外用薬を塗ることが必要です。

接触皮膚炎で悩んでいる場合、原因物質を除去することが第一です。その原因物質を除去するためには、パッチテストによって判別することが一般的です。アレルギー性接触皮膚炎の検査で最も重要な検査法はパッチテストです。パッチテストは、アレルゲンを強制的に皮膚に吸収させ、アレルギー反応を人為的に引き起こします。従って訓練された皮膚科医により行われなくてはなりません。

日常生活の中で、知らない間に皮膚は化学物質と接触しています。そのため、日用品として使用される製品が接触皮膚炎を誘発することもあります。たとえば、洗剤などに広く使用される界面活性剤等があげられます。日用品の中には患者が原因製品だと気づかずに使用し続けたため病変が慢性化していることも少なくありません。少しでも症状が当てはまる場合は、皮膚科を受診することをお勧めします。

いかがでしたか。特定の物質で何度もかぶれが生じる場合は、接触皮膚炎が疑われます。一度皮膚科を受診して、皮膚科医の判断を仰ぐことも改善の一つの方法といえるでしょう。

目黒近辺で皮膚科をお探しの方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒を御利用下さい。かぶれ、接触皮膚炎でお悩みの方の相談に応じます。

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性感染症2

今回も、前回に引き続き性感染症(別名STD、STI)についてご紹介したいと思います。
前回では紹介し切れなかった梅毒、ヘルペス、トリコモナス、毛じらみ、B型・C型肝炎について解説します。

〇梅毒
梅毒トレポネーマ・パリダム(TP)という病原体によって感染します。皮膚や粘膜にある小さい傷から感染し、やがて内臓や中枢神経などの全身器官が侵されてしまう病気です。女性が罹患すると、接触後の2~3週間で陰部に固いしこりが発生します。その後、鼠径リンパ節に腫脹が見られた後自然に消失します。男性の場合は、しこりは包皮や陰茎などに発生し、表面が破れびらんや潰瘍になります。その後、大腿部のリンパ節炎に移行するものの、疼痛はありません。しこりを放置すると寛解までに時間を要します。抗体が完全に低下するまでは定期的な診察や検査を続けることが必要です。

〇(性器)ヘルペス
単純ヘルペスウイルスを病原とする性感染症です。感染後3~7日の潜伏期を経た後に外陰部に水疱が数個出現します。多くは1か月以内に治癒しますが、治癒後も月経・性交その他の刺激が誘因となって再発を繰り返すこともあります。完治してもウイルスは体に残り、ストレス等により抵抗力が弱くなった際をねらって再発します。

〇トリコモナス
男女共に自覚症状が出ないこともあり、いつ感染したか分からない事が多い疾患といわれています。トリコモナス原虫が原因で罹患します。膣だけではなく子宮頸部、下部尿路、前立腺などにも侵入します。男性に比べて、特に女性で症状が強いといわれています。再発を繰り返す場合も多くなっています。
男性の場合、トリコモナス原虫は尿道・陰茎包皮・前立腺・精巣などに寄生しますが、ほとんど自覚症状がないことが多いです。無症状でも尿道の分泌物や炎症が非感染者に比べて多く、感染後の潜伏期間も長いといわれています。
トリコモナス感染を有する男性には前立腺炎を有することが多いです。
さらに、自覚症状がなくてもパートナーが感染していれば本人も治療する必要があります。また、女性は男性に比べトリコモナス感染症の症状は非常に多様です。約50%は自覚症状がない場合もありますが、症状が進行するとおりものに血が混じる場合もあります。

主訴は、泡状の悪臭の強い黄色いおりものの増加と、外陰・膣の刺激感、強い掻痒です。トリコモナス感染を受けた膣粘膜や発赤・びらんを有する膣部は、クラミジア感染や淋病と同様にHIV感染リスクを高めことが指摘されています。感染が判明した場合は、同時にパートナーと共に治療する必要があります。

〇毛じらみ
毛じらみとは、人間の毛に寄生しているシラミです。感染すると平均1~2ヶ月後に陰毛の痒みとして自覚することが多いです。陰毛に限らず肛門周囲・腋毛・胸毛・すね毛、さらにはまつ毛や眉毛に至るまで感染します。増強すると湿疹や細菌性の二次感染が起こりえます。ほとんどは、性行為などの陰毛の直接接触による感染です。人に寄生するシラミとして他、頭ジラミとコロモジラミがいますが、これらは性行為でうつることはありません。

〇B型・C型肝炎
B型肝炎は、B型肝炎ウイルスが肝臓に感染して起こる状態のことです。免疫正常の成人の多くは一過性の感染ですが、数%に持続感染を起こします。そして、感染が持続する人の一部に肝硬変や肝癌を発症します。また、C型肝炎は主に血液を介して感染するウイルスで、接触感染よって感染し、肝臓で増殖します。慢性化すると多くの場合、肝硬変・肝癌に移行します。感染しても30~40%の人は自然治癒しますが、現在のところB型肝炎のようなワクチンで予防することはできません。

性病の場合、治癒したかどうかはご自身では判定できない場合があります。また、感染部は自分ではなかなか分からず、治療が不十分となってしまう可能性もあります。治癒したかどうかは必ず受診して確認するようにしましょう。受診に抵抗はあるかと思いますが、できる限り診断を受けていただいたほうが良いでしょう。

アトレ目黒にあるあいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、プライバシーを厳守し患者さんの希望にそった治療を提供します。

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性感染症

性感染症(STD)は、性行為などによって感染する病気のことです。一昔前までは性病と呼ばれていましたが、現在は性感染症やSTD(「Sexually Transmitted Diseases」の頭文字)またはSTI(「Sexually Transmitted Infections」の頭文字)と呼ばれています。STD(性病・性感染症)は、感染している人との性行為により、病原菌を含む精液、腟分泌液、血液などが、口や性器の粘膜、皮膚などに接触することで感染がおこります。そのため、日常生活や単なる接触で感染することはありません。代表的な疾患としてはHIV(エイズ)、クラミジア、 カンジダ、淋病、 尖圭コンジローマなどがありますので、順に紹介したいと思います。

〇HIV(AIDS)
HIVとは病気そのものの名前ではなく、ウイルスの名前です。 正確には、ヒト免疫不全ウイルスといいます。このウイルスが体の中に入ると、ヒトの免疫として働く細胞に感染します。 この感染された細胞が増えていくと、次第にその人の免疫力、つまり風邪などの病気に抵抗する力が落ちてきます。 その結果、健康な人だとかかりにくいような様々な病気に感染してしまうようになります。 この状態をエイズに罹患した状態と指します。

〇クラミジア
クラミジア感染症の原因は、クラミジアトラコマティスという細菌です。女性の場合、クラミジアに感染するとおりものの量が増えます。しかし、他に自覚症状があらわれにくいので 自分が感染していることに気付かないことが多くあります。治療せずに放置しておくと、体の内部にまで感染が広がり子宮内膜炎や卵管炎、不妊の原因となる事もあります。 また、流産、早産の原因にもなるため、注意が必要です。
男性の場合は、クラミジアに感染すると排尿痛が生じます。治療せずに放置しておくと尿道を経由して感染が広がり、前立腺炎、腎炎などになることがあります。

〇カンジダ
カンジダはもとから人の体内に存在している菌です。これらが原因となって膣内部などのさまざまな部位にかゆみなどをおこします。女性の場合は、カンジダに罹患すると性器周辺部や外陰部にかゆみや炎症がでます。 膣の中で炎症を起こしている場合にはヨーグルト状のおりものの量が増えることがあり、性交時に痛みを感じることがあります。男性の場合は症状がでることは少ないのですが、亀頭や陰茎にかゆみや炎症がおきることがあります。

〇淋病
淋病は淋菌が原因となって発症する性感染症です。女性の場合は、膣から子宮あたりに炎症をおこします。症状としては、おりもののの増加や悪臭などの変化がありますが、 約80%の女性には自覚症状がないといわれています。 感染を放置しておくと体内に感染が拡大し、子宮外妊娠や不妊の原因となります。妊娠中に感染していると赤ちゃんは出産時に淋菌に感染します。 この場合、早期に治療をしないと失明するおそれがあります。男性の場合は尿道に感染することが多く、激しい排尿痛や排尿時の膿がでます。 しかし自覚症状がない場合もあります。治療をせずに放置していると、菌が広がり体内の生殖器の炎症をおこします。場合によっては無精子症になることもあります。

〇尖圭コンジローマ
コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウィルスが原因となる性病です。このヒトパピローマウイルスには良性のものと悪性のものに分類され、 良性のHPVはコンジローマの原因に、悪性のものは子宮頸がんの原因になります。HPVに感染すると、1~2ヶ月ほどの潜伏期間ののちに感染した部位にイボができます。 性器とその周辺、肛門、足の付け根部分などにできることが多いのですが、口唇部に感染した場合には唇や口の中にできることもあります。 このイボは疼痛がない場合が多く、見えない部分にできると発見が遅れることがあります。このイボは一度寛解しても、再燃する可能性があります。

性病の中には症状が出にくいものもあります。しかし、症状が無くても病気は進行し、いつのまにかパートナーにうつしている可能性があります。先に述べた通り、男女とも不妊症の原因になる場合があります。妊婦が感染した場合は、流産や早産の原因になりかねません。そのため、必ず妊婦検診を受けましょう。さらに、性感染症の罹患者はHIV(エイズウイルス)に感染する可能性が通常より3~5倍高くなるといわれています。

 では、検査はどのように実施されているのでしょうか。検査可能な機関は、保健所と病院の大きく2つに分けられます。国の保健所あるいは自治体の施設で性病の検査が行われています。これらの検査は原則無料となっており、検査の際に自分の名前を告げる必要がなく匿名で検査を受けることができます。保健所の検査はHIVなどの社会的に影響のある病気を中心に行われるため、病院などでの検査よりも検査項目が少ない場合があります。検査は主にHIV、梅毒、クラミジア、淋菌の検査が実施されています。検査項目等の詳細は各自治体、保険所で異なりますので、実施を希望される場合はお近くの保健所などへお問い合わせください。 また、全国の病院や診療所でも性病の検査が行われています。 性病に関するなんらかの症状があらわれている場合であれば検査費用に保険を適用できることがありますが、 なにも症状がない場合には自費診療扱いで保険が適用されないこともありますのでご注意下さい。

性病には数多くの種類があり、さらに、罹患していると抵抗力が落ちて細菌やウイルスが侵入しやすくなってしまいます。このように、STIは自覚症状がないまま進行する恐ろしい病気といっても過言ではありません。
目黒近辺で皮膚科をお探しの方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒を御利用下さい。専門の医療機関への紹介等も含め、皮膚科の専門の医師が対応いたします。

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手湿疹

 寒い時期になると、手の乾燥が目立ちますよね。これからの時期に皮膚科を受診される方の多い疾患である手湿疹、いわゆる「手荒れ」についてご紹介したいと思います。

 なぜ、手荒れが起こってしまうのでしょうか。手の表面には皮脂という保護膜があります。この皮脂は、外界のさまざまな刺激から皮膚を守る被膜です。ところが、水や洗剤などによって脂分が流れ落ちると、手肌を守ってくれるはずの皮脂のバリアがはがされてしまいます。また、手には汗腺が多く存在しているものの、皮脂は手には少ししかありません。そのため一度乾燥してしまうと、皮脂は回復するには時間がかかってしまいます。こうしてバリア機能が低下した手指は刺激を受けやすい状態となり、手荒れが起こってしまいます。手湿疹に罹患すると手は乾燥し、徐々に亀裂が生じます。やがて手の平全体に拡大し、さらに増強すると発赤、掻痒が生じます。

手湿疹、手荒れは1年中発症する可能性があります。中でも、寒い季節に出現、悪化したりする皮膚病の一つです。たとえば、冬に手荒れになっても、夏には改善する方もいらっしゃいます。冬は主に寒さや空気の乾燥によって、皮膚の皮脂と水分が不足するために起こります。普段は手湿疹の症状がない方でも、冬になると、ひび割れ、あかぎれなどの手のトラブルが生じやすくなるのはそのためです。

また、冬期の暖房にも注意が必要です。暖房によって温度が上昇すると部屋が乾燥します。それによって、手湿疹が増強する原因となります。冷え性と手荒れの関係も無視できません。手が冷えると血行不良、細胞の新陳代謝の妨げになってしまいます。血行不良、冷え性、抵抗力や保湿力の低下等も、手荒れの原因となる可能性があります。さらに、アトピー性皮膚炎に罹患している、あるいは外部の刺激に敏感な敏感肌の人なども手荒れが発症しやすい傾向にあります。アトピー体質の方はどうしても刺激を受けやすいため、念入りなケアが必要です。スキンケアの方法を詳しく知りたい方は、皮膚科を受診し医師のアドバイスを受けましょう。

 手湿疹が生じた場合は、まずは外用薬による治療が一般的です。ヘパリン類似物質が含有された薬は、結構を良くするため効果的だといわれています。改善がみられない場合には、掻痒部や発赤部のみにステロイド外用剤を塗布します。掻くことで増強するため、極めて強い掻痒がある場合には内服も検討します。ステロイド外用薬ですが、炎症を抑える強さが数種類あることや、長期間にわたって使用すると副作用があります。治療薬の選択や治療の方針については、皮膚科の医師とよく相談したうえで決めましょう。

そんな手荒れを予防するためには、保湿が第一です。手指が乾燥している時や、手洗いの後には保湿剤の塗布を心がけましょう。また、原因物質を避けることも必要です。洗剤が手に触れないようにゴム手袋を使用する、手洗い時は油分をできるだけ落とさないように水で洗うなどできる範囲内での工夫をしましょう。

また、手湿疹はストレスが引き金となる場合もあるようです。イライラした時や精神的に不安定な時などに出現・増強するといわれています。さらに、ホルモンバランスの乱れも手荒れを引き起こすこともあります。生理前には、水仕事をはじめとする家事などの負担を減らす、いつもより念入りにスキンケアを行うなど、手荒れ対策を実施することをおすすめします。手洗いが頻回に必要な医療関係者や、薬剤を用いる美容師などの職業病といえます。手荒れが仕事と密接している方は、長期間の治療が必要ですので、必ず皮膚科医の判断を仰ぎましょう。

手荒れをはじめとして肌の乾燥でお悩みの方は、目黒駅直結で来院に便利なあいおいクリニック皮膚科アトレ目黒へお越しください。皮膚科の専門医が、手湿疹に効果的な薬剤の処方やスキンケア等に応じます。

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腋臭症

今回は、腋臭症、いわゆる「わきが」についてご紹介します。

わきがの臭いは「アポクリン腺」という汗腺が原因です。人が持つ汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類があります。前者のエクリン腺は、分泌物を汗として体外に排出します。暑い時や、運動時、また、就寝中など、人は日常的に汗をかきます。エクリン腺からの汗は、無色透明で成分のほとんどが水分なので無臭です。
たまに大量に汗をかいた時に不快な酸っぱい臭いにかわる事もありますが、腋臭症のように強い臭いが直接の原因にはなりません。その一方で、アポクリン腺からの分泌物は脂質、タンパク質、アンモニア等を含んでおり、皮膚の表面にある細菌などと混じり合うことで、わきが独特の臭いを発生させてしまいます。このアポクリン腺が多く発達している人が、いわゆるわきが体質といえるでしょう。アポクリン腺の数に比例して臭いも強くなるようです。また、アポクリン腺の量は遺伝によるものが大きいといわれています。アポクリン腺は生まれつき数が決まっていて、成長に伴い数が増える事はありません。子供の時から症状が出始める方は少数で、アポクリン腺の働きが活発になる第二次性徴期の思春期を境にして臭いが気になり始める方が多いようです。 遺伝的にアポクリン腺の数が少なくても、肉を中心とした食生活や過度な飲酒などで、症状を強くさせてしまう事があります。また、肉などを中心とした食生活や睡眠不足、ストレスなどの生活習慣が臭いを増幅させます。

日本人など元々体臭が少ない人種はアポクリン腺を全く持っていない人もいますが、欧米の人々は、ほとんどの人が持っているようです。汗は全身から出ますが、症状が出るのは脇の下など体の一部だけです。これは、エクリン腺は頭の先からつま先まで全身に分布していますが、アポクリン腺は体の決まった場所にしか分布していないためです。その最たる場所が脇の下で、その他にも耳の中等にも存在します。わきが体質の人の耳垢が湿っているのは、耳の中のアポクリン腺が発達しているからだといわれています。つまりこれらの個所以外から臭いがしても、腋臭症と診断されることはありません。たとえば、足の臭いが強くても足の裏にはアポクリン腺は存在しないので、わきが臭とは別物です。

日本人のわきが率はとても低く、人種的に体臭も少ないといわれています。それ故に、臭いに対して過敏になっていると言えます。たとえわきがであっても、本人が気にならないのであれば治療の必要はありません。しかし、臭いによって周りに迷惑をかけているのではないかと必要以上に気にする、あるいは人と接することに支障が出てしまうのであれば、皮膚科で一度診察を受ける事をお勧めします。

主な治療法ですが、外用薬を塗布する方法と手術療法の大きく二つに分けられます。主な外用薬は、アンモニアが含有された制汗剤です。

手術療法は、いくつか種類があります。代表的な治療法としては剪除法(せんじょほう、直視下摘除法とも言う)、ミラドライ、ボトックス注射の3つです。はじめの剪除法は、匂いの元となるアポクリン汗腺やエクリン汗腺を取り除く方法です。直接目で確認しながら汗腺を取り除くので確実に効果が得られ、再発の心配もありません。2つ目のミラドライでは、患部を切開することなく1度の治療で汗腺を破壊するので、高い効果を得られるといわれています。また、傷跡が残らないため施術後の審美性を損なうこともありません。3つ目のボトックス注射は、ボトックス・ボツリヌストキシンを患部に注入することでエクリン汗腺の活動を抑制し、汗の分泌を抑える方法です。効果は永続的ではありませんが、約半年~1年位の間は汗の量を抑えることが可能です。1回の治療時間は5分程なので日常生活にほとんど制限はありません。

以上の3つが代表的な手術療法です。効果には個人差があること、そして治療の大部分は自費診療になることをご理解下さい。

腋臭症の診断は、周りからの反応等である程度自己判断できます。ただ、臭いは目に見えにくく非常にデリケートな問題のため、なかなか人から指摘されにくいという点もあります。場合によっては、実際に気にするほど臭っていなくても、必要以上に悩んでしまっている可能性もあります。腋臭症でお悩みの方や、わきがを疑っている方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒で専門医による客観的な診断を受けることをお勧めします。 

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虫刺症

みなさんは、虫刺されができたことはありますよね。本日は、皮膚病変の中でも非常に身近な、虫刺症(虫刺され)についてご紹介いたします。

虫刺症は、蚊などに刺された部位に掻痒(かゆみ)の強い発疹(赤いブツブツ)が生じる状態をいいます。ただ実際には、蚊やノミ以外にも様々な虫がヒトを刺しただけではなく、咬みついたりすることによって皮膚に生じる病変も虫刺症に含まれます。そのため、虫刺症の定義は幅広いといえるでしょう。虫さされによって生じる皮膚症状には、大きく分けると痛み(疼痛)とかゆみ(掻痒)の2種類があります。

 まずは虫刺症による痛みです。この痛みには、虫が皮膚を刺したり咬んだりすることによって生じる物理的な痛みと、皮膚に注入される物質の化学的刺激による痛みがあります。
 かゆみは、虫から皮膚に注入された物質(毒成分など)に対するアレルギ-反応によって生じます。そして、アレルギー反応には主に即時型反応と遅延型反応があります。即時型反応は、虫の刺咬を受けた直後からかゆみ、発赤などが出現するものの、その後数時間で軽快する反応です。一方、遅延型反応は、虫の刺咬を受けた数日後に発赤、水疱などが出現し、数日~1週間で軽快する、という反応です。これらの反応は、虫に刺された頻度やその人の体質によって症状の現われ方に個人差が大きいのが特徴です。

 皮膚炎を引き起こす原因となる主な虫としては蚊、ノミやハチ、ケムシなどの昆虫類、そしてダニ、クモ、ムカデなどの昆虫以外の動物が挙げられます。これらのうち、吸血する虫としては蚊、ブユ、アブ、ノミなど、刺す虫としてはハチ、咬む虫としてはクモ、ムカデが代表的で、触れることで皮膚病変を引きおこす虫としては有毒のケムシが挙げられます。

 虫刺症の中でも、気を付けなければいけないのがマダニ類です。マダニといっても、一般的な家ダニとは違い、体長ははるかに大きく主に山野に生息しているものです。このマダニによる重篤な疾患に、ツツガムシ病とライム病があります。ツツガムシ病は、アカツツガムシが媒介する疾患で、戦前の日本では夏に発生する風土病として恐れられていました。近年では北海道を除く本州全域でみられることがあります。ライム病はマダニにより媒介される菌が原因となって発症する、極めて多様な病態を示す人畜共通の感染症です。欧米では起因するマダニが都市部に生息することから、年間十数万人の患者が発生し重大な社会問題となっています。ツツガムシ病やライム病に罹患した場合は、入院・点滴などの専門的な治療が必要になりますので、早めに皮膚科を受診し適切な医療機関への紹介を受けましょう。

それでは、もし虫に刺された場合は何をすべきでしょうか。軽症であれば市販のかゆみ止めの外用薬や貼付剤でもよいでしょう。ただ、掻痒や発赤が強い場合は、ステロイド外用薬を塗布した方が軽快しやすい傾向があります。中でも、就寝が困難なほど強い掻痒が生じる場合は、外用薬に加えて抗ヒスタミン薬やステロイドの内服薬を処方します。なぜなら、掻くことで症状が増強するため、まずは掻痒を取り除く必要があるためです。ステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤は処方薬ですので、処方を希望する場合は皮膚科を受診しましょう。

 いかがでしたか。ひとくちに虫刺症といっても、蚊からマダニまで数多くの種類があります。さらに、その後の経過も刺した虫の種類によっては改善がみられない場合や掻痒が持続する場合などや、慢性的な経過をたどる場合もあります。目黒近辺で皮膚科をお探しの方、または虫刺されを疑っている方、皮膚疾患でお悩みの方はあいおいクリニック皮膚科アトレへお越しください。

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褥瘡(床ずれ)

本日は、褥瘡(じょくそう)、いわゆる「床ずれ」についてご紹介いたします。褥瘡とは、自分の体重による圧迫が長時間同じ場所に続くことが原因となって生じる皮膚疾患です。中でも、一日中寝たきりで日常的に介護が必要な方、半身不随などで体が麻痺している人などの自分で体を動かすのが不自由な方に起こりやすい皮膚病変です。もし、床ずれを起こしてしまった場合はどのような症状が現れるのでしょうか。床ずれは、その程度や進行度によってⅠ~Ⅳ度と段階ごとに分けられます。Ⅰ度は初期段階で、Ⅱ度からⅢ度と進むにつれて重篤になります。
〇Ⅰ度
褥瘡の初期段階です。はじめは表皮という皮膚の最も浅い部位に症状が出現します。患部には、発赤や少しただれたような糜爛(びらん)が見られます。
〇Ⅱ度
褥瘡がさらに進行した状態です。真皮という皮膚の中層まで障害が及んだ状態で、皮膚潰瘍などが見られます。水疱(水ぶくれ)が現れることもあり、細菌感染を起こしやすい状態です。
〇Ⅲ度
かなり褥瘡が進行した段階を指します。皮膚の最下層である皮下組織にまで障害が及んだ状態で、皮膚潰瘍や欠損が皮下脂肪まで達しています。うみが出ている場合は感染症を起こしている疑いもあります。
〇Ⅳ度
褥瘡の最終段階です。傷口は相当深くなり筋肉や骨にまで障害が及んだ状態で、見た目にも骨が露出して見えるほど進行しています。進行した虫歯のように骨が壊死(腐骨)して黒ずんでしまうこともあります。重篤な合併症を引き起こすこともあり、危険な状態です。

では、褥瘡が生じないようには具体的に何をすればよいでしょうか。床ずれ対策として必須なのが体位交換です。体位交換とは、仰向けの状態から横向きの状態へ体の向きを変えて体圧を分散し、同じ部位に長時間の負荷がかかり続けることを避ける方法です。健康な人が床ずれを起こさないのは、就寝中に無意識に寝返りを打っているからです。自分で寝返りが出来ない方には、体位交換を実施する必要があります。

また、床ずれを予防するためには皮膚を清潔に保ち、適切なスキンケアを行っていくことも大事だといえるでしょう。肌の弱い方は、刺激の弱い弱酸性の石けんをよく泡立ててから洗います。高齢者は特に皮膚が弱いため、やさしく撫でるようにして洗いましょう。また、乾燥すると床ずれを起こしやすくなります。体を拭いた後は、保湿剤などを塗るようにしましょう。

床ずれを治療していくにあたっては、大きく分けて3つの治療法があります。1つは薬を使用した治療法、もう一つはドレッシング材(被覆材)を用いた治療法、そして最後は外科手術による治療法です。

床ずれを治療する際の第一選択は外用薬です。クリームや軟膏など基剤は様々で、その状態によって様々な種類の薬を使い分けていきます。実際にどのように治療法を選んでいくかは医師と相談し、治療効果の経過も見ながら判断していくことになります。外用薬と併用して用いられるのがドレッシング材です。ドレッシング材とは、直接傷を覆う被覆材で、傷を保護する、乾燥を防ぐ、浸出液を吸収するため患部の保護に適しています。褥瘡の外科的処置はデブリードマンとよばれ、壊死組織を切除し洗浄する処置のことです。壊死した組織を、メスを用いて切除します。処置後は、その後の定期的なケアや皮膚科医による定期的な診察が重要となりますので、かかりつけ医との提携が不可欠です。

いかがでしたか。ご自宅に介護中の方がいらっしゃる場合は、床ずれの可能性が生じる場合がありますので、留意してください。あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、褥瘡の診断や、専門の医療機関への紹介を実施しております。

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尋常性白斑(白なまず)

本稿では、尋常性白斑について紹介したいと思います。この記事をご覧の方は、尋常性白斑、いわゆる「白なまず」という皮膚疾患を耳にしたことはありますか。尋常性白斑とは、境界明瞭な皮膚の一部の色素が白く抜ける疾患です。尋常性白斑が生じると皮膚に白い斑点ができます。大きさや形はまちまちで、場合によってはかなり大きくなることがあります。ちなみに、痛み(疼痛)、痒み(掻痒)などの自覚症状はなく、他の人に伝染することはありません。

この尋常性白斑の症状ですが、原因は不明です。現段階で分かっている事は、メラノサイト(色素細胞)が自律神経失調症やストレスなどの何かのきっかけで破壊される、あるいは色素が合成されていく過程の機能が停止していることが原因と言われています。中でも、頭部・顔面・首・腕・手などの露出部位などに発症する場合が多く、白斑部と正常な皮膚との境界部は逆に色素が増強し目立ち易いのが特徴です。

たとえば、白髪は頭部のしろなまずと言ってよいでしょう。また、尋常性白斑の罹患者は甲状腺機能亢進、糖尿病などを合併していることもあります。白斑が発症する確率は全人口の1~2%と言われ、日本ではおよそ120万人から240万人の方が罹患していると言われています。発症年齢は、20代を中心に10~30歳代に発症するケースが多いといわれていますが、高齢者でも見られます。ちなみに、男女差はほとんどありません。尋常性白斑は、発症した場所により、限局型、分節型、汎発型の3つの型に分けられます。これから、この3つの型について述べたいと思います。
〇限局型
1個から数個の白斑が、皮膚の一部分に限って出現しているものをいいます。大きさは数センチまでが大半で、白斑部位への機械的な刺激や皮膚の炎症がきっかけとなる事が多いといわれています。

〇汎発型(はんぱつがた)
尋常性白斑の中で最も多い種類で、身体のあらゆる所に白斑が出現するものをいいます。ただし、限局型の白斑の経過中に全身のメラノサイトが破壊された場合は、限局型は汎発型に移行することもあります。

〇分節型
皮膚の神経に沿って白斑が発症し、主に身体の片側にだけに発症する場合を分節型といいます。また、白斑部には白毛を伴うことが多く見られます。 汎発型に比べると、治りにくい傾向にあると言われています。
いずれにしても、尋常性白斑が生じた場合は、まずは化粧品などの外用剤の影響を疑います。しかし、思い当たることがない場合は皮膚の問題ではなく、ストレスを取り除くなど身体全体から見直していく必要があるといえるでしょう。

尋常性白斑と診断される方の多くは、外用薬を塗り込んだ部位や化粧品を使用した部位の皮膚が突然白くなったと皮膚科を受診されます。まずは外用薬での治療が第一で、外用薬の種類には、ステロイド外用剤、免疫抑制薬、ビタミンD含有の外用薬等があげられます。処方された場合は、必ず医師の指示によって使用してください。

改善がない場合は、レーザーでの治療を検討します。大きく分けて、PUVA療法とUVB療法の2つがあります。PUVA療法とは、ソラレンというお薬を内服や塗布、あるいは湯に溶かせて入浴します。その後に波長の長い紫外線(UVA)を照射して皮膚に反応をおこさせ、各種の皮膚疾患を治療する方法です。治療は週に1~2回の割合で実施しますので、定期的な通院が必要です。UVB療法の中で最近、注目されている紫外線療法としてナローバンドUVB療法があります。治療経過や、治療方針については、かかりつけの皮膚科医に相談しましょう。実施できる設備等が限られますので、レーザー治療を希望される場合は事前に医療機関へお問い合わせすることをお勧めします。

 尋常性白斑(白なまず)を疑っている方、および目黒近辺で皮膚科をお探しの方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒を御利用ください。尋常性白斑の診断および整容的な皮膚疾患についても、皮膚科医がアドバイスいたします。

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尋常性乾癬

本稿では、尋常性乾癬についてご紹介したいと思います。乾癬にはいくつかの種類がありますが、全体の9割以上を占めるのがこれからご紹介する尋常性乾癬です。

尋常性乾癬とは、慢性皮膚疾患の一つです。人によって症状や発症する場所が異なり、治療法は多様ですが、典型的な症状として、皮膚の肥厚部位や赤い発疹の上に、フケのようなもの(鱗屑とよばれます)が付着し、落屑が生じる皮膚病変です。国内の患者数は約10万人(1000人に1人)といわれています。患者層としては乳幼児から高齢者まで年齢層は幅広いですが、男性では30代、女性では10代および50代での発症が多いようです。ちなみに、他の人に感染することはありません。

 そんな乾癬の原因ですが、今のところは不明です。もともと乾癬になりやすい体質があり、それに加えてストレス等のさまざまな要因が加わって発症すると考えられています。また、糖尿病や脂質異常症、肥満などの生活習慣病も影響が大きいといわれています。
 それでは、もし乾癬に罹患した場合は、どのような治療法があるのでしょうか。一般的には外用療法から始め、効果が十分でない場合に光線療法、内服療法、生物学的製剤へと進めていきます。個々の治療方法については、皮膚科医とよく相談してください。

〇治療方法について
① ステロイド外用薬
紅斑の治療に効果的で、効果が比較的早く現れます。しかし、長期に漫然と使用することで皮膚萎縮などの副作用を生じる場合もあるため、軽快後は塗布をやめることが必要です。

➁ビタミンD3外用薬
効果が見られるまでに時間がかかるものの、鱗屑や皮膚の腫脹改善に効果的です。決められた量より多く塗るなどの誤った使い方によって、のどの渇き、脱力感、食欲不振などの全身性の副作用が起きることがあるため、医師の指示通りに使用しましょう。

② ステロイドとビタミンD3の配合外用薬 
ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬の効果をあわせ持っており、即効性と十分な効果が期待できます。しかし、両方の副作用に注意する必要があります。症状や効果をみながら、単独あるいは混合で使用したりします。

〇光線療法
外用薬で改善しないとき、または増強した場合に用いられます。光源ランプを用いて、紫外線を照射します。紫外線は波長によって2種類に分けられますが、効果が認められるのは、中波長紫外線(UVB)と長波長紫外線(UVA)です。 近年、一般的になってきたのが、UVBに含まれる有害な波長を取り除き、治療効果が高い波長のみを使う「ナローバンドUVB療法」です。適度に直射日光を浴びることも治療として推奨されていますが、紫外線には皮膚の発がん性なども報告されているため、必要に応じて実施してください。

〇内服療法
皮膚細胞の異常増殖を抑えるレチノイド(ビタミンA誘導体)、免疫反応を抑えるシクロスポリン(免疫抑制剤)などが用いられます。

〇生物学的製剤を用いる方法
これまでの外用薬、内服薬等の治療で効果がみられない場合には、生物学的製剤が用いられます。皮下注射と点滴の2種類があり、病変部位に大量に出ている炎症にかかわる物質を抑制する働きがあります。

〇乾癬に罹患した場合の注意事項
① ストレスを軽減する
仕事や人間関係といったさまざまなストレスは発症・悪化の引き金となります。乾癬そのものに対する不安がストレスとなり、症状を悪化させるという悪循環も起こり得ます。

➁生活習慣を見直す
カロリーの高い食事は乾癬を悪化させるといわれています。肉類や脂質などは控え、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。飲酒や喫煙もできる限り控えましょう。また、睡眠不足や不規則な生活が原因で症状が悪化することもあるため、規則正しい生活を送るよう心がけましょう。

③ 既往症・合併症の治療
乾癬患者さんには、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、リウマチ性疾患などを患っている(患っていた)人が多い傾向があります。因果関係はわかっていませんが、これらの病気が悪化すると乾癬の症状も悪化することがあるので、あわせて治療していくことが大切です。

いかがでしたか。乾癬は、皮膚疾患のなかでは身近な疾患とはいえないかもしれません。しかし、数年前にタレントが乾癬に罹患していることを公表したことがありました。現在も一定数の患者さんがいらっしゃる疾患です。

乾癬を疑っている方や、皮膚病変について相談したいことがある方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒へお越しください。目黒駅直結で、通勤や通学、買い物の際にお立ち寄りいただいても構いません。皮フ科医が真摯に対応いたします。

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