コラム

手湿疹

 寒い時期になると、手の乾燥が目立ちますよね。これからの時期に皮膚科を受診される方の多い疾患である手湿疹、いわゆる「手荒れ」についてご紹介したいと思います。

 なぜ、手荒れが起こってしまうのでしょうか。手の表面には皮脂という保護膜があります。この皮脂は、外界のさまざまな刺激から皮膚を守る被膜です。ところが、水や洗剤などによって脂分が流れ落ちると、手肌を守ってくれるはずの皮脂のバリアがはがされてしまいます。また、手には汗腺が多く存在しているものの、皮脂は手には少ししかありません。そのため一度乾燥してしまうと、皮脂は回復するには時間がかかってしまいます。こうしてバリア機能が低下した手指は刺激を受けやすい状態となり、手荒れが起こってしまいます。手湿疹に罹患すると手は乾燥し、徐々に亀裂が生じます。やがて手の平全体に拡大し、さらに増強すると発赤、掻痒が生じます。

手湿疹、手荒れは1年中発症する可能性があります。中でも、寒い季節に出現、悪化したりする皮膚病の一つです。たとえば、冬に手荒れになっても、夏には改善する方もいらっしゃいます。冬は主に寒さや空気の乾燥によって、皮膚の皮脂と水分が不足するために起こります。普段は手湿疹の症状がない方でも、冬になると、ひび割れ、あかぎれなどの手のトラブルが生じやすくなるのはそのためです。

また、冬期の暖房にも注意が必要です。暖房によって温度が上昇すると部屋が乾燥します。それによって、手湿疹が増強する原因となります。冷え性と手荒れの関係も無視できません。手が冷えると血行不良、細胞の新陳代謝の妨げになってしまいます。血行不良、冷え性、抵抗力や保湿力の低下等も、手荒れの原因となる可能性があります。さらに、アトピー性皮膚炎に罹患している、あるいは外部の刺激に敏感な敏感肌の人なども手荒れが発症しやすい傾向にあります。アトピー体質の方はどうしても刺激を受けやすいため、念入りなケアが必要です。スキンケアの方法を詳しく知りたい方は、皮膚科を受診し医師のアドバイスを受けましょう。

 手湿疹が生じた場合は、まずは外用薬による治療が一般的です。ヘパリン類似物質が含有された薬は、結構を良くするため効果的だといわれています。改善がみられない場合には、掻痒部や発赤部のみにステロイド外用剤を塗布します。掻くことで増強するため、極めて強い掻痒がある場合には内服も検討します。ステロイド外用薬ですが、炎症を抑える強さが数種類あることや、長期間にわたって使用すると副作用があります。治療薬の選択や治療の方針については、皮膚科の医師とよく相談したうえで決めましょう。

そんな手荒れを予防するためには、保湿が第一です。手指が乾燥している時や、手洗いの後には保湿剤の塗布を心がけましょう。また、原因物質を避けることも必要です。洗剤が手に触れないようにゴム手袋を使用する、手洗い時は油分をできるだけ落とさないように水で洗うなどできる範囲内での工夫をしましょう。

また、手湿疹はストレスが引き金となる場合もあるようです。イライラした時や精神的に不安定な時などに出現・増強するといわれています。さらに、ホルモンバランスの乱れも手荒れを引き起こすこともあります。生理前には、水仕事をはじめとする家事などの負担を減らす、いつもより念入りにスキンケアを行うなど、手荒れ対策を実施することをおすすめします。手洗いが頻回に必要な医療関係者や、薬剤を用いる美容師などの職業病といえます。手荒れが仕事と密接している方は、長期間の治療が必要ですので、必ず皮膚科医の判断を仰ぎましょう。

手荒れをはじめとして肌の乾燥でお悩みの方は、目黒駅直結で来院に便利なあいおいクリニック皮膚科アトレ目黒へお越しください。皮膚科の専門医が、手湿疹に効果的な薬剤の処方やスキンケア等に応じます。

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腋臭症

今回は、腋臭症、いわゆる「わきが」についてご紹介します。

わきがの臭いは「アポクリン腺」という汗腺が原因です。人が持つ汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類があります。前者のエクリン腺は、分泌物を汗として体外に排出します。暑い時や、運動時、また、就寝中など、人は日常的に汗をかきます。エクリン腺からの汗は、無色透明で成分のほとんどが水分なので無臭です。
たまに大量に汗をかいた時に不快な酸っぱい臭いにかわる事もありますが、腋臭症のように強い臭いが直接の原因にはなりません。その一方で、アポクリン腺からの分泌物は脂質、タンパク質、アンモニア等を含んでおり、皮膚の表面にある細菌などと混じり合うことで、わきが独特の臭いを発生させてしまいます。このアポクリン腺が多く発達している人が、いわゆるわきが体質といえるでしょう。アポクリン腺の数に比例して臭いも強くなるようです。また、アポクリン腺の量は遺伝によるものが大きいといわれています。アポクリン腺は生まれつき数が決まっていて、成長に伴い数が増える事はありません。子供の時から症状が出始める方は少数で、アポクリン腺の働きが活発になる第二次性徴期の思春期を境にして臭いが気になり始める方が多いようです。 遺伝的にアポクリン腺の数が少なくても、肉を中心とした食生活や過度な飲酒などで、症状を強くさせてしまう事があります。また、肉などを中心とした食生活や睡眠不足、ストレスなどの生活習慣が臭いを増幅させます。

日本人など元々体臭が少ない人種はアポクリン腺を全く持っていない人もいますが、欧米の人々は、ほとんどの人が持っているようです。汗は全身から出ますが、症状が出るのは脇の下など体の一部だけです。これは、エクリン腺は頭の先からつま先まで全身に分布していますが、アポクリン腺は体の決まった場所にしか分布していないためです。その最たる場所が脇の下で、その他にも耳の中等にも存在します。わきが体質の人の耳垢が湿っているのは、耳の中のアポクリン腺が発達しているからだといわれています。つまりこれらの個所以外から臭いがしても、腋臭症と診断されることはありません。たとえば、足の臭いが強くても足の裏にはアポクリン腺は存在しないので、わきが臭とは別物です。

日本人のわきが率はとても低く、人種的に体臭も少ないといわれています。それ故に、臭いに対して過敏になっていると言えます。たとえわきがであっても、本人が気にならないのであれば治療の必要はありません。しかし、臭いによって周りに迷惑をかけているのではないかと必要以上に気にする、あるいは人と接することに支障が出てしまうのであれば、皮膚科で一度診察を受ける事をお勧めします。

主な治療法ですが、外用薬を塗布する方法と手術療法の大きく二つに分けられます。主な外用薬は、アンモニアが含有された制汗剤です。

手術療法は、いくつか種類があります。代表的な治療法としては剪除法(せんじょほう、直視下摘除法とも言う)、ミラドライ、ボトックス注射の3つです。はじめの剪除法は、匂いの元となるアポクリン汗腺やエクリン汗腺を取り除く方法です。直接目で確認しながら汗腺を取り除くので確実に効果が得られ、再発の心配もありません。2つ目のミラドライでは、患部を切開することなく1度の治療で汗腺を破壊するので、高い効果を得られるといわれています。また、傷跡が残らないため施術後の審美性を損なうこともありません。3つ目のボトックス注射は、ボトックス・ボツリヌストキシンを患部に注入することでエクリン汗腺の活動を抑制し、汗の分泌を抑える方法です。効果は永続的ではありませんが、約半年~1年位の間は汗の量を抑えることが可能です。1回の治療時間は5分程なので日常生活にほとんど制限はありません。

以上の3つが代表的な手術療法です。効果には個人差があること、そして治療の大部分は自費診療になることをご理解下さい。

腋臭症の診断は、周りからの反応等である程度自己判断できます。ただ、臭いは目に見えにくく非常にデリケートな問題のため、なかなか人から指摘されにくいという点もあります。場合によっては、実際に気にするほど臭っていなくても、必要以上に悩んでしまっている可能性もあります。腋臭症でお悩みの方や、わきがを疑っている方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒で専門医による客観的な診断を受けることをお勧めします。 

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虫刺症

みなさんは、虫刺されができたことはありますよね。本日は、皮膚病変の中でも非常に身近な、虫刺症(虫刺され)についてご紹介いたします。

虫刺症は、蚊などに刺された部位に掻痒(かゆみ)の強い発疹(赤いブツブツ)が生じる状態をいいます。ただ実際には、蚊やノミ以外にも様々な虫がヒトを刺しただけではなく、咬みついたりすることによって皮膚に生じる病変も虫刺症に含まれます。そのため、虫刺症の定義は幅広いといえるでしょう。虫さされによって生じる皮膚症状には、大きく分けると痛み(疼痛)とかゆみ(掻痒)の2種類があります。

 まずは虫刺症による痛みです。この痛みには、虫が皮膚を刺したり咬んだりすることによって生じる物理的な痛みと、皮膚に注入される物質の化学的刺激による痛みがあります。
 かゆみは、虫から皮膚に注入された物質(毒成分など)に対するアレルギ-反応によって生じます。そして、アレルギー反応には主に即時型反応と遅延型反応があります。即時型反応は、虫の刺咬を受けた直後からかゆみ、発赤などが出現するものの、その後数時間で軽快する反応です。一方、遅延型反応は、虫の刺咬を受けた数日後に発赤、水疱などが出現し、数日~1週間で軽快する、という反応です。これらの反応は、虫に刺された頻度やその人の体質によって症状の現われ方に個人差が大きいのが特徴です。

 皮膚炎を引き起こす原因となる主な虫としては蚊、ノミやハチ、ケムシなどの昆虫類、そしてダニ、クモ、ムカデなどの昆虫以外の動物が挙げられます。これらのうち、吸血する虫としては蚊、ブユ、アブ、ノミなど、刺す虫としてはハチ、咬む虫としてはクモ、ムカデが代表的で、触れることで皮膚病変を引きおこす虫としては有毒のケムシが挙げられます。

 虫刺症の中でも、気を付けなければいけないのがマダニ類です。マダニといっても、一般的な家ダニとは違い、体長ははるかに大きく主に山野に生息しているものです。このマダニによる重篤な疾患に、ツツガムシ病とライム病があります。ツツガムシ病は、アカツツガムシが媒介する疾患で、戦前の日本では夏に発生する風土病として恐れられていました。近年では北海道を除く本州全域でみられることがあります。ライム病はマダニにより媒介される菌が原因となって発症する、極めて多様な病態を示す人畜共通の感染症です。欧米では起因するマダニが都市部に生息することから、年間十数万人の患者が発生し重大な社会問題となっています。ツツガムシ病やライム病に罹患した場合は、入院・点滴などの専門的な治療が必要になりますので、早めに皮膚科を受診し適切な医療機関への紹介を受けましょう。

それでは、もし虫に刺された場合は何をすべきでしょうか。軽症であれば市販のかゆみ止めの外用薬や貼付剤でもよいでしょう。ただ、掻痒や発赤が強い場合は、ステロイド外用薬を塗布した方が軽快しやすい傾向があります。中でも、就寝が困難なほど強い掻痒が生じる場合は、外用薬に加えて抗ヒスタミン薬やステロイドの内服薬を処方します。なぜなら、掻くことで症状が増強するため、まずは掻痒を取り除く必要があるためです。ステロイド外用剤や抗ヒスタミン剤は処方薬ですので、処方を希望する場合は皮膚科を受診しましょう。

 いかがでしたか。ひとくちに虫刺症といっても、蚊からマダニまで数多くの種類があります。さらに、その後の経過も刺した虫の種類によっては改善がみられない場合や掻痒が持続する場合などや、慢性的な経過をたどる場合もあります。目黒近辺で皮膚科をお探しの方、または虫刺されを疑っている方、皮膚疾患でお悩みの方はあいおいクリニック皮膚科アトレへお越しください。

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褥瘡(床ずれ)

本日は、褥瘡(じょくそう)、いわゆる「床ずれ」についてご紹介いたします。褥瘡とは、自分の体重による圧迫が長時間同じ場所に続くことが原因となって生じる皮膚疾患です。中でも、一日中寝たきりで日常的に介護が必要な方、半身不随などで体が麻痺している人などの自分で体を動かすのが不自由な方に起こりやすい皮膚病変です。もし、床ずれを起こしてしまった場合はどのような症状が現れるのでしょうか。床ずれは、その程度や進行度によってⅠ~Ⅳ度と段階ごとに分けられます。Ⅰ度は初期段階で、Ⅱ度からⅢ度と進むにつれて重篤になります。
〇Ⅰ度
褥瘡の初期段階です。はじめは表皮という皮膚の最も浅い部位に症状が出現します。患部には、発赤や少しただれたような糜爛(びらん)が見られます。
〇Ⅱ度
褥瘡がさらに進行した状態です。真皮という皮膚の中層まで障害が及んだ状態で、皮膚潰瘍などが見られます。水疱(水ぶくれ)が現れることもあり、細菌感染を起こしやすい状態です。
〇Ⅲ度
かなり褥瘡が進行した段階を指します。皮膚の最下層である皮下組織にまで障害が及んだ状態で、皮膚潰瘍や欠損が皮下脂肪まで達しています。うみが出ている場合は感染症を起こしている疑いもあります。
〇Ⅳ度
褥瘡の最終段階です。傷口は相当深くなり筋肉や骨にまで障害が及んだ状態で、見た目にも骨が露出して見えるほど進行しています。進行した虫歯のように骨が壊死(腐骨)して黒ずんでしまうこともあります。重篤な合併症を引き起こすこともあり、危険な状態です。

では、褥瘡が生じないようには具体的に何をすればよいでしょうか。床ずれ対策として必須なのが体位交換です。体位交換とは、仰向けの状態から横向きの状態へ体の向きを変えて体圧を分散し、同じ部位に長時間の負荷がかかり続けることを避ける方法です。健康な人が床ずれを起こさないのは、就寝中に無意識に寝返りを打っているからです。自分で寝返りが出来ない方には、体位交換を実施する必要があります。

また、床ずれを予防するためには皮膚を清潔に保ち、適切なスキンケアを行っていくことも大事だといえるでしょう。肌の弱い方は、刺激の弱い弱酸性の石けんをよく泡立ててから洗います。高齢者は特に皮膚が弱いため、やさしく撫でるようにして洗いましょう。また、乾燥すると床ずれを起こしやすくなります。体を拭いた後は、保湿剤などを塗るようにしましょう。

床ずれを治療していくにあたっては、大きく分けて3つの治療法があります。1つは薬を使用した治療法、もう一つはドレッシング材(被覆材)を用いた治療法、そして最後は外科手術による治療法です。

床ずれを治療する際の第一選択は外用薬です。クリームや軟膏など基剤は様々で、その状態によって様々な種類の薬を使い分けていきます。実際にどのように治療法を選んでいくかは医師と相談し、治療効果の経過も見ながら判断していくことになります。外用薬と併用して用いられるのがドレッシング材です。ドレッシング材とは、直接傷を覆う被覆材で、傷を保護する、乾燥を防ぐ、浸出液を吸収するため患部の保護に適しています。褥瘡の外科的処置はデブリードマンとよばれ、壊死組織を切除し洗浄する処置のことです。壊死した組織を、メスを用いて切除します。処置後は、その後の定期的なケアや皮膚科医による定期的な診察が重要となりますので、かかりつけ医との提携が不可欠です。

いかがでしたか。ご自宅に介護中の方がいらっしゃる場合は、床ずれの可能性が生じる場合がありますので、留意してください。あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、褥瘡の診断や、専門の医療機関への紹介を実施しております。

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尋常性白斑(白なまず)

本稿では、尋常性白斑について紹介したいと思います。この記事をご覧の方は、尋常性白斑、いわゆる「白なまず」という皮膚疾患を耳にしたことはありますか。尋常性白斑とは、境界明瞭な皮膚の一部の色素が白く抜ける疾患です。尋常性白斑が生じると皮膚に白い斑点ができます。大きさや形はまちまちで、場合によってはかなり大きくなることがあります。ちなみに、痛み(疼痛)、痒み(掻痒)などの自覚症状はなく、他の人に伝染することはありません。

この尋常性白斑の症状ですが、原因は不明です。現段階で分かっている事は、メラノサイト(色素細胞)が自律神経失調症やストレスなどの何かのきっかけで破壊される、あるいは色素が合成されていく過程の機能が停止していることが原因と言われています。中でも、頭部・顔面・首・腕・手などの露出部位などに発症する場合が多く、白斑部と正常な皮膚との境界部は逆に色素が増強し目立ち易いのが特徴です。

たとえば、白髪は頭部のしろなまずと言ってよいでしょう。また、尋常性白斑の罹患者は甲状腺機能亢進、糖尿病などを合併していることもあります。白斑が発症する確率は全人口の1~2%と言われ、日本ではおよそ120万人から240万人の方が罹患していると言われています。発症年齢は、20代を中心に10~30歳代に発症するケースが多いといわれていますが、高齢者でも見られます。ちなみに、男女差はほとんどありません。尋常性白斑は、発症した場所により、限局型、分節型、汎発型の3つの型に分けられます。これから、この3つの型について述べたいと思います。
〇限局型
1個から数個の白斑が、皮膚の一部分に限って出現しているものをいいます。大きさは数センチまでが大半で、白斑部位への機械的な刺激や皮膚の炎症がきっかけとなる事が多いといわれています。

〇汎発型(はんぱつがた)
尋常性白斑の中で最も多い種類で、身体のあらゆる所に白斑が出現するものをいいます。ただし、限局型の白斑の経過中に全身のメラノサイトが破壊された場合は、限局型は汎発型に移行することもあります。

〇分節型
皮膚の神経に沿って白斑が発症し、主に身体の片側にだけに発症する場合を分節型といいます。また、白斑部には白毛を伴うことが多く見られます。 汎発型に比べると、治りにくい傾向にあると言われています。
いずれにしても、尋常性白斑が生じた場合は、まずは化粧品などの外用剤の影響を疑います。しかし、思い当たることがない場合は皮膚の問題ではなく、ストレスを取り除くなど身体全体から見直していく必要があるといえるでしょう。

尋常性白斑と診断される方の多くは、外用薬を塗り込んだ部位や化粧品を使用した部位の皮膚が突然白くなったと皮膚科を受診されます。まずは外用薬での治療が第一で、外用薬の種類には、ステロイド外用剤、免疫抑制薬、ビタミンD含有の外用薬等があげられます。処方された場合は、必ず医師の指示によって使用してください。

改善がない場合は、レーザーでの治療を検討します。大きく分けて、PUVA療法とUVB療法の2つがあります。PUVA療法とは、ソラレンというお薬を内服や塗布、あるいは湯に溶かせて入浴します。その後に波長の長い紫外線(UVA)を照射して皮膚に反応をおこさせ、各種の皮膚疾患を治療する方法です。治療は週に1~2回の割合で実施しますので、定期的な通院が必要です。UVB療法の中で最近、注目されている紫外線療法としてナローバンドUVB療法があります。治療経過や、治療方針については、かかりつけの皮膚科医に相談しましょう。実施できる設備等が限られますので、レーザー治療を希望される場合は事前に医療機関へお問い合わせすることをお勧めします。

 尋常性白斑(白なまず)を疑っている方、および目黒近辺で皮膚科をお探しの方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒を御利用ください。尋常性白斑の診断および整容的な皮膚疾患についても、皮膚科医がアドバイスいたします。

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尋常性乾癬

本稿では、尋常性乾癬についてご紹介したいと思います。乾癬にはいくつかの種類がありますが、全体の9割以上を占めるのがこれからご紹介する尋常性乾癬です。

尋常性乾癬とは、慢性皮膚疾患の一つです。人によって症状や発症する場所が異なり、治療法は多様ですが、典型的な症状として、皮膚の肥厚部位や赤い発疹の上に、フケのようなもの(鱗屑とよばれます)が付着し、落屑が生じる皮膚病変です。国内の患者数は約10万人(1000人に1人)といわれています。患者層としては乳幼児から高齢者まで年齢層は幅広いですが、男性では30代、女性では10代および50代での発症が多いようです。ちなみに、他の人に感染することはありません。

 そんな乾癬の原因ですが、今のところは不明です。もともと乾癬になりやすい体質があり、それに加えてストレス等のさまざまな要因が加わって発症すると考えられています。また、糖尿病や脂質異常症、肥満などの生活習慣病も影響が大きいといわれています。
 それでは、もし乾癬に罹患した場合は、どのような治療法があるのでしょうか。一般的には外用療法から始め、効果が十分でない場合に光線療法、内服療法、生物学的製剤へと進めていきます。個々の治療方法については、皮膚科医とよく相談してください。

〇治療方法について
① ステロイド外用薬
紅斑の治療に効果的で、効果が比較的早く現れます。しかし、長期に漫然と使用することで皮膚萎縮などの副作用を生じる場合もあるため、軽快後は塗布をやめることが必要です。

➁ビタミンD3外用薬
効果が見られるまでに時間がかかるものの、鱗屑や皮膚の腫脹改善に効果的です。決められた量より多く塗るなどの誤った使い方によって、のどの渇き、脱力感、食欲不振などの全身性の副作用が起きることがあるため、医師の指示通りに使用しましょう。

② ステロイドとビタミンD3の配合外用薬 
ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬の効果をあわせ持っており、即効性と十分な効果が期待できます。しかし、両方の副作用に注意する必要があります。症状や効果をみながら、単独あるいは混合で使用したりします。

〇光線療法
外用薬で改善しないとき、または増強した場合に用いられます。光源ランプを用いて、紫外線を照射します。紫外線は波長によって2種類に分けられますが、効果が認められるのは、中波長紫外線(UVB)と長波長紫外線(UVA)です。 近年、一般的になってきたのが、UVBに含まれる有害な波長を取り除き、治療効果が高い波長のみを使う「ナローバンドUVB療法」です。適度に直射日光を浴びることも治療として推奨されていますが、紫外線には皮膚の発がん性なども報告されているため、必要に応じて実施してください。

〇内服療法
皮膚細胞の異常増殖を抑えるレチノイド(ビタミンA誘導体)、免疫反応を抑えるシクロスポリン(免疫抑制剤)などが用いられます。

〇生物学的製剤を用いる方法
これまでの外用薬、内服薬等の治療で効果がみられない場合には、生物学的製剤が用いられます。皮下注射と点滴の2種類があり、病変部位に大量に出ている炎症にかかわる物質を抑制する働きがあります。

〇乾癬に罹患した場合の注意事項
① ストレスを軽減する
仕事や人間関係といったさまざまなストレスは発症・悪化の引き金となります。乾癬そのものに対する不安がストレスとなり、症状を悪化させるという悪循環も起こり得ます。

➁生活習慣を見直す
カロリーの高い食事は乾癬を悪化させるといわれています。肉類や脂質などは控え、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。飲酒や喫煙もできる限り控えましょう。また、睡眠不足や不規則な生活が原因で症状が悪化することもあるため、規則正しい生活を送るよう心がけましょう。

③ 既往症・合併症の治療
乾癬患者さんには、糖尿病、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、リウマチ性疾患などを患っている(患っていた)人が多い傾向があります。因果関係はわかっていませんが、これらの病気が悪化すると乾癬の症状も悪化することがあるので、あわせて治療していくことが大切です。

いかがでしたか。乾癬は、皮膚疾患のなかでは身近な疾患とはいえないかもしれません。しかし、数年前にタレントが乾癬に罹患していることを公表したことがありました。現在も一定数の患者さんがいらっしゃる疾患です。

乾癬を疑っている方や、皮膚病変について相談したいことがある方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒へお越しください。目黒駅直結で、通勤や通学、買い物の際にお立ち寄りいただいても構いません。皮フ科医が真摯に対応いたします。

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円形脱毛症

昨今、頭部の脱毛でお悩みの方が増えているといわれています。主に遺伝や加齢の影響が大きいといわれていますが、最近では若い方でも見られることが増えています。また、女性では出産後のホルモンバランスの乱れにより脱毛が生じやすくなります。今回は、そんな円形脱毛の種類および治療法についてご紹介したいと思います。まず脱毛症は、大きく3つに分類されます。円形脱毛症、男性型脱毛症、そして女性型脱毛症の3つです。

〇円形脱毛症
円形脱毛症とは、頭皮の一部に脱毛が生じる状態を示します。10円大の脱毛症は、ストレス等が原因となる場合が多いため、その原因を取り除けば自然に治るケースがほとんどです。また、円形脱毛症はいくつかの原因があり、重度のものとしては脱毛が多発して治療や完治に時間を要する「多発型円形脱毛症」や、まれに治療が非常に難しい、全身の毛が抜けてしまう円形脱毛症の「汎発性脱毛症」などもあります。症状が出現した場合は、早めに医師へ相談しましょう。それでは、主な治療法についてご紹介します。

・外用薬
フロジン外用液、リンデロンVG軟膏、ステロイド剤等を塗布する方法です。育毛剤などと併用して患部の改善をはかることも多くみられます。
・処置
液体窒素を患部にあてる冷凍凝固法によって毛根を刺激し、発毛を促す方法です。
・局注療法
患部に薬剤を注射し、発毛を促す手段です。ケナコルトというステロイドが良く用いられます。数週おきに実施されることが多いようです。浮腫、免疫低下などの副作用もあるため、実施を希望する場合は必ず医師に相談しましょう。
・局所免疫療法(SADBE・DPCP)
自然界にはない物質を脱毛部に塗って、人工的にかぶれを起こす方法です。円形脱毛症は自己免疫疾患の一種といわれており、毛球部を多数のリンパ球が攻撃していることで生じます。それを応用し、人工的に炎症を起こしてかぶれさせることで、いわば別のリンパ球で置き換えて発毛を促す方法といえます。この治療法に使われる物質は、DPCP(ジフェニルサイクロプロペノン)、またはSADBE(スクアリックアシッドジプチルエステル)の2種類があり、主にDPCPが使われています。

〇女性型脱毛症
女性の薄毛、脱毛症には、びまん性脱毛症、分娩後脱毛症、脂漏性脱毛症などいくつかの種類があります。その中でも、びまん性脱毛症が最も多く見られます。びまん性(一面に広がるという意味)脱毛症とは、頭皮全体の髪の毛が均等に抜け落ちていく症状のことです。
特に髪の分け目の部分の地肌が透けて見える様になります。

主な原因は老化現象といわれていました。しかし、最近では若い女性でも薄毛に悩む人たちが急増しています。原因としてはストレスや睡眠不足、喫煙、ダイエットなど偏った食事などがあげられます。まずは生活習慣を見直した上で、治療にあたることが必要といえるでしょう。もし、脱毛が顕著な場合には、ミノキシジルという物質が含有された女性専用の薄毛治療育毛剤の使用や、内服薬を検討します。 ちなみに、ミノキシジルはもともと血管拡張剤として使用されていた医薬品で、薄毛部分に塗布すると頭部の毛細血管を一時的に広げることができるため、最近用いられるようになった薬剤です。

〇男性型脱毛症
成人男性にみられる症状で、髪が薄くなる状態をさします。額の生え際などの部位が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられており、徐々に抜け毛が進行し、薄毛が目立つようになってしまいます。
男性型脱毛症(AGA)は、20代前後から始まり、35歳までには、約40%の男性が何らかの脱毛症状を伴うといわれています。それでは、主な治療についてみていきましょう。
・内服薬
ザガーロ、プロペシア、フィナステリド(プロペシアのジュネリック)等複数の種類があります。脱毛の原因となる男性ホルモンを抑制することで、症状を食い止める方法です。中でも、ザガーロは脱毛を抑制し育毛効果も報告されているそうです。
・外用薬
ミノキシジルが含有されている薬剤は、脱毛の原因物質の生成をブロックして頭皮の血流を改善させることで発毛・育毛を促していきます。 内服薬との併用で発毛効果がみとめられるといわれています。

内服薬・外用薬ともに、治療の途中で中止すると再発する可能性があります。さらに、肝機能障害などの副作用も多く報告されているため、医師による問診および採決等の定期健診は欠かせません。多くは自費診療で実施されているため、治療を希望する方は必ず事前に医院へ確認するか、または専門の医療機関を受診しましょう。

 いかがでしたか。円形脱毛症は、悩んでいる患者さんは多いといわれているものの、治療法が確立していない疾患といってよいかもしれません。患者さんの状態に合わせて治療を選択します。また、治療の多くは自費診療になることが多いため、治療や診療方針については、信頼できる医師との連携が欠かせません。

あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、軽症の場合から円形脱毛症の診察を実施しています。他院への紹介もいたしますので、お悩みの方は一度相談にお越し下さい。

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アトピー性皮膚炎2

徐々に寒くなり、肌の乾燥や皮脂欠乏で皮膚科を受診される方が増える時期になりました。中でも、アトピーの方にとっては、普段以上にお手入れが必要な時期が到来したといえますね。今回は、アトピー性皮膚炎の方のスキンケアについて紹介したいと思います。

過去にもご紹介した通り、アトピー性皮膚炎は乳児期から発症する慢性的に続く皮膚の炎症のことです。年齢の経過とともに症状が軽くなることが多いのですが、人によっては成人後も継続して症状が続くことがあります。アトピー性皮膚炎の原因はアレルギーによるものや遺伝による影響などが複雑に絡み合って起こっていて、皮膚のバリア機能がなんらかの原因で低下してしまうことで起こると考えられています。

特に、皮膚の細胞の周りに豊富に含まれているセラミドやスクワレンといった皮脂の構成成分の不足が大きな原因ではないかと言われています。これらの肌を守るための物質が減少してしまうとどうしても肌のバリア機能が落ちてしまい、外部から痒みや炎症の原因になる物質が皮膚を通じて入りやすくなってしまいます。そのため、アトピー性皮膚炎でお困りの方は日常的に皮脂が少なくならないように気をつけることでお肌の状態が改善していきます。ケアの方法などは皮膚科を受診することで詳しく学ぶことができるので、アトピーでお悩みの方は、是非一度皮フ科で相談をしてみてください。
アトピー性皮膚炎の治療は様々な薬が用いられています。

1・ステロイド外用薬
ステロイドというのは非常に炎症を抑える力が強い薬で、皮膚に塗ることで肌の状態を改善してくれます。ステロイドの外用薬を長期にわたって使用していると皮膚が薄くなるなど、皮膚の状態が変化する副作用が出てきます。必ず皮膚科の医師の指示に従ってお薬を使うようにしましょう。

2・抗ヒスタミン剤
痒みの原因にはヒスタミンという物質が関与しています。ヒスタミンが細胞に働きかける時にはヒスタミン受容体というタンパク質に結合することでヒスタミンの作用が現れるので、このヒスタミン受容体に蓋をしてしまえば痒みが治まります。
このような目的で使用されている薬が抗ヒスタミン剤です。抗ヒスタミン剤には眠気などの副作用があったのですが、最近ではかなり改善されていて、副作用が弱くなってきました。

このようなアトピー性皮膚炎の治療は皮膚科の医師と二人三脚で行うことが重要です。独断で薬を使用せず、皮膚科の医師と相談しながら治療を行いましょう。
また、アトピー性皮膚炎の方は毎日のお肌のケアに気をつける必要があります。
まず気をつけたいのが保湿です。
肌のバリア機能の低下によって水分が失われやすくなっているので、お肌の中の水分を保つことで肌に加わる刺激に耐えられる肌を作る必要があります。まず保湿の基本は水分を保持してくれる薬の使用です。お風呂上がりの肌に水分が行き渡った段階でお肌の中に水分を閉じ込めるように化粧水などを使います。尿素が配合されている塗り薬も保水作用があるので効果的です。このほかに、肌の表面から水分の蒸発を防ぐための油分を含んだクリームをつかうと長い間水分を保持してくれます。

また、痒みが強くなってきた時には肌を冷却すると効果的です。なかなか薬が手に入らないまたは、病院に行けなかった時には痒みを我慢し続けなければいけません。痒くなって肌が赤く炎症を起こしている部分にはアイスパックを当てて冷やしてあげると痒みが治まります。緊急時はこのような方法を使って痒みをコントロールし、お肌の健康を保つように心がけてください。

 あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚疾患の治療を積極的に実施しています。目黒駅近辺で皮膚科をお探しの方は、ぜひお越し下さい。経験豊かな皮膚科医が、患者さんに寄り添った治療を提供いたします。

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火傷(やけど)

この記事をご覧の方のなかに、やけどをしてしまった経験がある方はいらっしゃいますか。やけどまではいかなくても、熱いものに触れてしまったことは誰にでもあるのではないでしょうか。今回は、やけど(専門用語では熱傷といいます)についてご紹介します。これからの時期に増加する疾患の一つといえます。

熱傷とは、熱によって皮膚が傷ついた状態のことを指します。皮膚に一定時間以上、高温のものが接することでやけどが生じます。もちろん高温のものによってやけどになりますが、それほど高い温度ではなくとも、長時間の接触により火傷が生じることがあります。特に、深く寝込んでいるときなどには比較的低い温度でも持続的に加熱されることでやけどを引き起こしてしまいます。これを、低温熱傷(低温やけど)といいます。湯たんぽやカイロの使用でみられることが多くなっていますので、これからの時期にはお気を付けください。やけどをした場合は、その直後から皮膚の疼痛を伴う赤みや腫れが出現します。その後も、しばらくの間は腫脹やみずぶくれが持続します。

ひとくちに火傷といっても、いくつかの種類があります。熱傷はその深さにより、I度熱傷からIII度熱傷に分類されます。I度熱傷は表皮熱傷ともよばれ、皮膚の表面が熱により傷ついた状態を示し、やけどをした部位には発赤が生じます。この場合は、とくに治療をしなくても傷跡をのこすことはありません。皮膚科医が診察し、ステロイドや抗生物質などの軟膏を皮膚の状態に応じて処方します。その後も皮膚科で経過観察をして、医師の指示があれば外用薬の使用を中止して治療終了の運びとなります。

II度熱傷は、みずぶくれ、水疱ができるやけどです。大きく2つに分類され、浅いものは浅達性II度熱傷とよばれます。水泡が破裂すると、きず(潰瘍、かいよう)になりますが、外用薬の適切な使用など医師の指示通りの治療によって改善します。それよりも深い深達性II度熱傷の場合には、治るのに1ヶ月以上かかることもあります。

一方、III度熱傷では、外来通院治療ではなく、基本的に入院しての点滴治療や植皮術などの外科的治療が必要になります。この場合のやけどの治療には冷却、洗浄、軟膏治療などによる保存的治療と植皮術を中心とした外科的治療とがあります。

以上のように、ひとくちにやけどといってもその程度はさまざまで、患部の深さや広さによって治療法を選択します。火傷をしたのにもかかわらず医師の治療を受けなかった場合や、患部に菌が侵入し細菌感染がおきたとき、さらに糖尿病などの基礎疾患があると、治るまでに時間がかかることや、跡を残すことがありますので、早期に皮膚科医を受診し適切な治療を受けることが大切だといえます。

最近では、やかんや鍋などの熱い調理器具に触れた、女性が髪型を整える際に使用したアイロンでやけどをした、熱い味噌汁をこぼしてしまった、といった事例で熱傷が生じ、皮膚科を受診される方もたくさんいらっしゃいます。身近なものでも熱傷の可能性は十分に考えられるといえるでしょう。中でも、お子さんは大人と比べて皮膚が薄く、やけどをした部位が跡になって残ってしまう場合もあります。そうなってしまうと、後ほどレーザー等で跡を消す手術を必要とすることもあります。万が一やけどをしてしまった場合は、まずは冷やすことが第一です。その後は、すぐに最寄りの皮膚科を受診しましょう。

アトレ目黒直結の、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では土日も診察しております。近医が休診の場合でも、処置や投薬の実施、さらには緊急性の有無の判断もいたしますので、やけど等でお困りの方はお越し下さい。経験やスキルが豊富な皮膚科医が診察いたします。

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薬疹・中毒疹

みなさんは、「薬疹(やくしん)」や「中毒疹(ちゅうどくしん)」という皮膚病変を聞いたことはありますか。薬疹とは、内服薬など全身投与された薬剤またはその代謝産物の作用により誘導される皮膚病変のことをいいます。その一方で、中毒疹は、薬疹を含めたより広い概念を示します。軽度なものから重症型までさまざまです。

 薬疹の診断ですが、薬剤投与後に生じた場合は、まずは薬疹を疑います。その後、皮膚科医による問診を通して薬剤の開始時期、皮疹の出現時期等を考慮して皮膚科医による診断を下します。薬剤アレルギー、サプリメント等の内服薬がある場合は医師に伝え、内服中の薬がある場合はお薬手帳を持参しましょう。薬剤の因果関係によって、薬疹かどうかを見極めます。

 それでは、これから代表的な薬疹・中毒疹をいくつか見ていきましょう。

① 播種性紅斑丘疹型 セフェム系の抗菌薬(例:フロモックス)、NSAIDs(例ロキソプロフェンを主成分とするロキソニン、イブプロフェンを主成分とするブルフェンなど、炎症や熱発を抑える作用のある薬剤のこと)が原因となることが多いと言われています。主訴は、全身に左右対称に生じる発疹です。

② 多型紅斑型 ペニシリン系の抗生物質(例アモキシシリンを主成分とするサワシリン)、セフェム系の抗菌薬などが原因といわれています。その他にも、単純ヘルペスやマイコプラズマ肺炎等の感染症に罹患した際にも、同様の症状が出現したとの報告があります。浮腫を伴う紅斑が特徴です。

③ 固定薬疹 特殊な薬疹の一つで、原因物質を摂取するたびに同一部位に薬疹が生じる薬疹です。手や足に好発する傾向にあり、円形の境界明瞭な水泡を認める皮疹がみられます。

④ 光線過敏型 薬剤の投与後に、光照射が加わることで発症してしまう薬疹です。

⑤ 紅皮症型 全身に鱗屑、びまん性潮紅を伴う薬疹です。判別が困難な場合が多いため、皮膚科医の判断を仰ぐ方がよいでしょう。

⑥ 湿疹型 ある薬剤の投与後、類似の薬剤を全身投与した際に生じる皮膚病変をさします。原因物質は外用薬として用いられた抗真菌薬、消毒薬など多数です。

⑦ 薬剤過敏性症候群 熱発および臓器障害を伴う重篤な薬疹の一つです。抗痙攣(けいれん)薬で頻繁に見られることが多いです。

⑧ Stevens-Johnson症候群 小児ではマイコプラズマ感染が、大人では薬剤が主な原因と考えられています。結膜炎や角膜混濁などの重篤な眼疾患が生じる可能性が高いため、眼科との提携が不可欠です。主訴は熱発、眼結膜や皮膚の紅斑です。

⑨ 中毒性表皮壊死症 薬剤が原因と考えられており、抗菌薬、NSAIDs、抗てんかん薬が代表例です。先ほど述べたStevens-Johnson症候群の進行型とみなされることが多くなっています。薬疹の最重症例で、高熱、全身のびらん、粘膜疹が特徴です。

いかがでしたか。薬疹というと、内服後や点滴後に蕁麻疹が出現するなどといったものを想像されるかもしれません。また、実際クリニックを受診される患者さんも軽度~中等度のものが一般的です。今回紹介した薬疹・中毒疹の中には、大学病院等でみられるようなものも多いため、今回挙げた9つの湿疹は、軽く目を通すだけでもよいでしょう。

 以上のように、もし特定の薬剤を内服・点滴後に湿疹が出現した場合は、薬疹の可能性が高いといえます。薬疹・中毒疹を疑った場合は、すぐに原因薬剤やそれが書かれたお薬手帳を持参し、皮膚科を受診しましょう。
目黒で皮膚科をお探しの方は、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒へお越し下さい。じんましんなどの他の皮膚病変との判別を含め、薬疹出現後はどうすればよいのか、今後こうならないためには何をすべきなのか、経験豊富な皮膚科医がアドバイスいたします。

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