伝染性膿痂疹

今回は、皮膚感染症の一部である伝染性膿痂疹(とびひ)についてお伝えします。
伝染性膿痂疹は、皮膚感染症の一つです。
皮膚感染症とは、全身あるいは皮膚の一部の免疫機能が低下することによって生じる疾患です。

主な原因はウイルス、細菌、真菌による罹患です。
誰にでも罹患する可能性のある疾患ですが、中でもかかりやすい対象となるグループが3つあります。
1つ目は、皮膚の弱い乳幼児や、皮脂の分泌が少ない高齢者、糖尿病や悪性疾患、肝機能障害や腎機能障害などの既往がある方、また薬物治療中の方などに発症しやすいといわれています。
2つ目が、皮膚の湿潤、極度の乾燥、炎症、外傷などの外的要因です。最後のグループとして、多汗、スキンケア不足、掻破、不潔などがあげられます。

伝染性膿痂疹は、先にも述べた通り代表的な皮膚感染症で、表皮にある常在菌が皮膚から侵入することで感染します。
原因菌は、黄色ブドウ球菌による水泡性膿痂疹と、化膿レンサ球菌による痂皮性膿痂疹の2種類があります。
特に初夏から真夏の時期になると掻きむしったため、お子さんがとびひになってしまったと来院される方も増えますが、多くが前者の罹患者です。

水泡性膿痂疹の主訴は紅斑や水泡、膿疱、びらんです。
一方で、痂皮性膿痂疹は患部の痂皮が特徴で、ときに全身性症状を伴います。
患部の細菌培養によって病名を確定することもありますが、皮膚科医の視診で判断することも多くなっています。虫刺症や擦り傷、切り傷などを掻破して感染します。
特に乳幼児や小児に多く、伝染性膿痂疹に罹患した場合は、他の園児に罹患する恐れがなくなるまで登園は見合わせる園もあります。
もし罹患した場合は、園に確認を取った後で皮膚科医の診断を仰ぎましょう。

さらに、伝染性膿痂疹と区別が困難な疾患として、アトピー性皮膚炎や伝染性軟属腫(水いぼ)などが挙げられます。判断が困難な場合は、自己診断せずに皮膚科を受診しましょう。

主な治療法ですが、患部が限局的な場合は、抗生物質の外用薬を塗布して治療することもあります。
しかし、改善しても掻くことで病変が文字通り「とんで」拡大してしまいます。
病変が化膿している場合は、抗生物質の内服薬を処方することもあります。
患部は掻くことで増強するため、外用薬と併用して抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤を内服し全身の掻痒を抑えることも効果的です。
もし改善しない場合は他の感染症も考えられるため、かかりつけの皮膚科医へ相談しましょう。

では、もしお子さんが伝染性膿痂疹に罹患した場合はどうすれば良いのでしょうか。
まず、患部は最低でも1日1回シャワーで洗い、清潔に保ちましょう。
患部は石鹸を含ませたガーゼ等で洗い、水分を軽く抑えるようにして拭き取ります。
洗浄後に軟膏を使用する場合は、よく乾かした後に塗布します。
皮膚と皮膚が接触する部分は発汗で汚染されやすく高温多湿な環境は感染を増強させてしまうため、特に清潔ケアを心がけましょう。
また、伝染性膿痂疹の患者さんとタオル等は共有しないようにする、爪は短く切る、手洗いを徹底するなど日常生活の心がけも予防に効果的です。

お子さんの肌は大人と比較して弱く、少しでも強い刺激になってしまいます。そのため、皮膚が乾燥している場合は、皮膚の清潔を保持しながら保湿を心がけましょう。
さらに、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある方は伝染性膿痂疹が増強する可能性もあるため、保湿を含めたスキンケアが必要です。
日常生活で悪化させている原因はないか、ケアの確認を行う場合は皮膚科で相談しましょう。

目黒で皮膚科をお探しの方、および伝染性膿痂疹を含めて皮膚疾患でお困りの方は、あいおいクリニック皮フ科アトレ目黒医院へお越し下さい。

あいおいクリニック皮膚科 アトレ目黒駅

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