アトピー性皮膚炎2

徐々に寒くなり、肌の乾燥や皮脂欠乏で皮膚科を受診される方が増える時期になりました。中でも、アトピーの方にとっては、普段以上にお手入れが必要な時期が到来したといえますね。今回は、アトピー性皮膚炎の方のスキンケアについて紹介したいと思います。

過去にもご紹介した通り、アトピー性皮膚炎は乳児期から発症する慢性的に続く皮膚の炎症のことです。年齢の経過とともに症状が軽くなることが多いのですが、人によっては成人後も継続して症状が続くことがあります。アトピー性皮膚炎の原因はアレルギーによるものや遺伝による影響などが複雑に絡み合って起こっていて、皮膚のバリア機能がなんらかの原因で低下してしまうことで起こると考えられています。

特に、皮膚の細胞の周りに豊富に含まれているセラミドやスクワレンといった皮脂の構成成分の不足が大きな原因ではないかと言われています。これらの肌を守るための物質が減少してしまうとどうしても肌のバリア機能が落ちてしまい、外部から痒みや炎症の原因になる物質が皮膚を通じて入りやすくなってしまいます。そのため、アトピー性皮膚炎でお困りの方は日常的に皮脂が少なくならないように気をつけることでお肌の状態が改善していきます。ケアの方法などは皮膚科を受診することで詳しく学ぶことができるので、アトピーでお悩みの方は、是非一度皮フ科で相談をしてみてください。
アトピー性皮膚炎の治療は様々な薬が用いられています。

1・ステロイド外用薬
ステロイドというのは非常に炎症を抑える力が強い薬で、皮膚に塗ることで肌の状態を改善してくれます。ステロイドの外用薬を長期にわたって使用していると皮膚が薄くなるなど、皮膚の状態が変化する副作用が出てきます。必ず皮膚科の医師の指示に従ってお薬を使うようにしましょう。

2・抗ヒスタミン剤
痒みの原因にはヒスタミンという物質が関与しています。ヒスタミンが細胞に働きかける時にはヒスタミン受容体というタンパク質に結合することでヒスタミンの作用が現れるので、このヒスタミン受容体に蓋をしてしまえば痒みが治まります。
このような目的で使用されている薬が抗ヒスタミン剤です。抗ヒスタミン剤には眠気などの副作用があったのですが、最近ではかなり改善されていて、副作用が弱くなってきました。

このようなアトピー性皮膚炎の治療は皮膚科の医師と二人三脚で行うことが重要です。独断で薬を使用せず、皮膚科の医師と相談しながら治療を行いましょう。
また、アトピー性皮膚炎の方は毎日のお肌のケアに気をつける必要があります。
まず気をつけたいのが保湿です。
肌のバリア機能の低下によって水分が失われやすくなっているので、お肌の中の水分を保つことで肌に加わる刺激に耐えられる肌を作る必要があります。まず保湿の基本は水分を保持してくれる薬の使用です。お風呂上がりの肌に水分が行き渡った段階でお肌の中に水分を閉じ込めるように化粧水などを使います。尿素が配合されている塗り薬も保水作用があるので効果的です。このほかに、肌の表面から水分の蒸発を防ぐための油分を含んだクリームをつかうと長い間水分を保持してくれます。

また、痒みが強くなってきた時には肌を冷却すると効果的です。なかなか薬が手に入らないまたは、病院に行けなかった時には痒みを我慢し続けなければいけません。痒くなって肌が赤く炎症を起こしている部分にはアイスパックを当てて冷やしてあげると痒みが治まります。緊急時はこのような方法を使って痒みをコントロールし、お肌の健康を保つように心がけてください。

 あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚疾患の治療を積極的に実施しています。目黒駅近辺で皮膚科をお探しの方は、ぜひお越し下さい。経験豊かな皮膚科医が、患者さんに寄り添った治療を提供いたします。

あいおいクリニック皮膚科 アトレ目黒駅

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