火傷(やけど)

この記事をご覧の方のなかに、やけどをしてしまった経験がある方はいらっしゃいますか。やけどまではいかなくても、熱いものに触れてしまったことは誰にでもあるのではないでしょうか。今回は、やけど(専門用語では熱傷といいます)についてご紹介します。これからの時期に増加する疾患の一つといえます。

熱傷とは、熱によって皮膚が傷ついた状態のことを指します。皮膚に一定時間以上、高温のものが接することでやけどが生じます。もちろん高温のものによってやけどになりますが、それほど高い温度ではなくとも、長時間の接触により火傷が生じることがあります。特に、深く寝込んでいるときなどには比較的低い温度でも持続的に加熱されることでやけどを引き起こしてしまいます。これを、低温熱傷(低温やけど)といいます。湯たんぽやカイロの使用でみられることが多くなっていますので、これからの時期にはお気を付けください。やけどをした場合は、その直後から皮膚の疼痛を伴う赤みや腫れが出現します。その後も、しばらくの間は腫脹やみずぶくれが持続します。

ひとくちに火傷といっても、いくつかの種類があります。熱傷はその深さにより、I度熱傷からIII度熱傷に分類されます。I度熱傷は表皮熱傷ともよばれ、皮膚の表面が熱により傷ついた状態を示し、やけどをした部位には発赤が生じます。この場合は、とくに治療をしなくても傷跡をのこすことはありません。皮膚科医が診察し、ステロイドや抗生物質などの軟膏を皮膚の状態に応じて処方します。その後も皮膚科で経過観察をして、医師の指示があれば外用薬の使用を中止して治療終了の運びとなります。

II度熱傷は、みずぶくれ、水疱ができるやけどです。大きく2つに分類され、浅いものは浅達性II度熱傷とよばれます。水泡が破裂すると、きず(潰瘍、かいよう)になりますが、外用薬の適切な使用など医師の指示通りの治療によって改善します。それよりも深い深達性II度熱傷の場合には、治るのに1ヶ月以上かかることもあります。

一方、III度熱傷では、外来通院治療ではなく、基本的に入院しての点滴治療や植皮術などの外科的治療が必要になります。この場合のやけどの治療には冷却、洗浄、軟膏治療などによる保存的治療と植皮術を中心とした外科的治療とがあります。

以上のように、ひとくちにやけどといってもその程度はさまざまで、患部の深さや広さによって治療法を選択します。火傷をしたのにもかかわらず医師の治療を受けなかった場合や、患部に菌が侵入し細菌感染がおきたとき、さらに糖尿病などの基礎疾患があると、治るまでに時間がかかることや、跡を残すことがありますので、早期に皮膚科医を受診し適切な治療を受けることが大切だといえます。

最近では、やかんや鍋などの熱い調理器具に触れた、女性が髪型を整える際に使用したアイロンでやけどをした、熱い味噌汁をこぼしてしまった、といった事例で熱傷が生じ、皮膚科を受診される方もたくさんいらっしゃいます。身近なものでも熱傷の可能性は十分に考えられるといえるでしょう。中でも、お子さんは大人と比べて皮膚が薄く、やけどをした部位が跡になって残ってしまう場合もあります。そうなってしまうと、後ほどレーザー等で跡を消す手術を必要とすることもあります。万が一やけどをしてしまった場合は、まずは冷やすことが第一です。その後は、すぐに最寄りの皮膚科を受診しましょう。

アトレ目黒直結の、あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では土日も診察しております。近医が休診の場合でも、処置や投薬の実施、さらには緊急性の有無の判断もいたしますので、やけど等でお困りの方はお越し下さい。経験やスキルが豊富な皮膚科医が診察いたします。

あいおいクリニック皮膚科 アトレ目黒駅

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