伝染性軟属腫

いぼにはいくつかの種類があります。
今回お伝えする皮膚科の疾患は、伝染性軟属腫といういぼの一種で、いわゆる水いぼとよばれるものです。
小児に好発し、プールが始まる初夏の時期になると頻繁に見られます。
伝染性軟属腫は、伝染性軟属腫ウイルスとよばれるウイルスが皮膚の最も外側にある角化細胞に感染することで病変が出現します。
ウイルスが原因のため、接触を通して人にうつります。
家族間などで頻発し、また、プールにあるビート板やタオルなど触感染によって人から人へ感染していると言われています。

主な症状ですが、水泡が含まれているかのような丘疹、およびその周囲の紅斑が特徴です。
一般的に、自覚症状はありません。しかしながら、まれに掻痒や疼痛を伴うこともあります。
皮膚の一部に単体で生じる場合から複数個生じる場合まで多様ですが、丘疹が皮膚に集簇することも少なくありません。
患部を引っ掻いてしまうことでウイルスが離散し拡大するため、患部は掻破しないようにガーゼ等で保護するとよいでしょう。

伝染性軟属腫は、数か月から数年で自然治癒することもあります。
しかし、先に述べたとおりに人にうつってしまうことから、
保育園や幼稚園へ通っているお子さんの場合は皮膚科での摘除を求められることが多くなっています。

主な治療法ですが、凍結療法と摘除療法などがあり、後者の方法が一般的です。
どのような処置かというと、伝染性軟属腫を鑷子でつまんで摘除する方法です。
術前処置として、患部にペンレステープという麻酔が入ったテープを貼付し、
麻酔効果があらわれた30~60分後に摘除することもあります。
鑷子で摘除するため、幼児に対しては強い痛みを伴う治療です。

また、麻酔入りのテープを貼付するとはいえ、処置時の疼痛を完全に抑制するほどの効果はないと思っていただいたほうが良いかもしれません。
軟属腫は複数個にわたることや、子供は大人に比べて皮膚も薄いため、数回処置をしているうちに徐々に疼痛が生じてしまいます。
軟属腫の摘除による精神的なダメージがあまりにも大きい場合は、治療を見合わせることもあります。
治療方針については、皮膚科医とよく相談した上で決めましょう。

摘除した部位は抗生物質の軟膏を塗布するか、絆創膏でおおって保護します。
処置をした日は入浴を避け、シャワーで済ませましょう。
その際は、ガーゼ等に石鹸をつけて、患部の刺激にならないように洗います。
その後、軟膏を塗布する場合はよく乾燥させてからにします。
患部が小さく摘除が困難な場合は、処置をせずに経過観察することもあります。
しかし、拡大した場合にはやはり摘除が必要となることが多いです。

摘除以外の治療法ですが、ヨクイニンという漢方を内服する、ハトムギ茶を飲む、イソジン軟膏を塗布する、木酢液の入ったお風呂につかるなどの方法もあるようです。
しかし、ヨクイニン錠は一度に内服する量が多いことや、その他の方法は寛解する治療法として確立しているとはいえません。
確実に取り除く場合は、やはり皮膚科を受診し処置をすることが望ましいといえるでしょう。

肌が乾燥している、またアトピー性皮膚炎などの皮膚の状態によっては伝染性軟属腫が増強することも見られます。
また、伝染性軟属腫とほかの皮膚病変が同時に出現することもあります。
丘疹や紅斑を伴う皮膚疾患は数多くあります。
伝染性軟属腫かどうかの判別や肌のお手入れの方法等も含めて、皮膚科の受診をおすすめします。
自己判断や自己処理はせずに医師の判断を仰ぎましょう。

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