円形脱毛症

昨今、頭部の脱毛でお悩みの方が増えているといわれています。主に遺伝や加齢の影響が大きいといわれていますが、最近では若い方でも見られることが増えています。また、女性では出産後のホルモンバランスの乱れにより脱毛が生じやすくなります。今回は、そんな円形脱毛の種類および治療法についてご紹介したいと思います。まず脱毛症は、大きく3つに分類されます。円形脱毛症、男性型脱毛症、そして女性型脱毛症の3つです。

〇円形脱毛症
円形脱毛症とは、頭皮の一部に脱毛が生じる状態を示します。10円大の脱毛症は、ストレス等が原因となる場合が多いため、その原因を取り除けば自然に治るケースがほとんどです。また、円形脱毛症はいくつかの原因があり、重度のものとしては脱毛が多発して治療や完治に時間を要する「多発型円形脱毛症」や、まれに治療が非常に難しい、全身の毛が抜けてしまう円形脱毛症の「汎発性脱毛症」などもあります。症状が出現した場合は、早めに医師へ相談しましょう。それでは、主な治療法についてご紹介します。

・外用薬
フロジン外用液、リンデロンVG軟膏、ステロイド剤等を塗布する方法です。育毛剤などと併用して患部の改善をはかることも多くみられます。
・処置
液体窒素を患部にあてる冷凍凝固法によって毛根を刺激し、発毛を促す方法です。
・局注療法
患部に薬剤を注射し、発毛を促す手段です。ケナコルトというステロイドが良く用いられます。数週おきに実施されることが多いようです。浮腫、免疫低下などの副作用もあるため、実施を希望する場合は必ず医師に相談しましょう。
・局所免疫療法(SADBE・DPCP)
自然界にはない物質を脱毛部に塗って、人工的にかぶれを起こす方法です。円形脱毛症は自己免疫疾患の一種といわれており、毛球部を多数のリンパ球が攻撃していることで生じます。それを応用し、人工的に炎症を起こしてかぶれさせることで、いわば別のリンパ球で置き換えて発毛を促す方法といえます。この治療法に使われる物質は、DPCP(ジフェニルサイクロプロペノン)、またはSADBE(スクアリックアシッドジプチルエステル)の2種類があり、主にDPCPが使われています。

〇女性型脱毛症
女性の薄毛、脱毛症には、びまん性脱毛症、分娩後脱毛症、脂漏性脱毛症などいくつかの種類があります。その中でも、びまん性脱毛症が最も多く見られます。びまん性(一面に広がるという意味)脱毛症とは、頭皮全体の髪の毛が均等に抜け落ちていく症状のことです。
特に髪の分け目の部分の地肌が透けて見える様になります。

主な原因は老化現象といわれていました。しかし、最近では若い女性でも薄毛に悩む人たちが急増しています。原因としてはストレスや睡眠不足、喫煙、ダイエットなど偏った食事などがあげられます。まずは生活習慣を見直した上で、治療にあたることが必要といえるでしょう。もし、脱毛が顕著な場合には、ミノキシジルという物質が含有された女性専用の薄毛治療育毛剤の使用や、内服薬を検討します。 ちなみに、ミノキシジルはもともと血管拡張剤として使用されていた医薬品で、薄毛部分に塗布すると頭部の毛細血管を一時的に広げることができるため、最近用いられるようになった薬剤です。

〇男性型脱毛症
成人男性にみられる症状で、髪が薄くなる状態をさします。額の生え際などの部位が、どちらか一方、または双方から薄くなっていきます。遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられており、徐々に抜け毛が進行し、薄毛が目立つようになってしまいます。
男性型脱毛症(AGA)は、20代前後から始まり、35歳までには、約40%の男性が何らかの脱毛症状を伴うといわれています。それでは、主な治療についてみていきましょう。
・内服薬
ザガーロ、プロペシア、フィナステリド(プロペシアのジュネリック)等複数の種類があります。脱毛の原因となる男性ホルモンを抑制することで、症状を食い止める方法です。中でも、ザガーロは脱毛を抑制し育毛効果も報告されているそうです。
・外用薬
ミノキシジルが含有されている薬剤は、脱毛の原因物質の生成をブロックして頭皮の血流を改善させることで発毛・育毛を促していきます。 内服薬との併用で発毛効果がみとめられるといわれています。

内服薬・外用薬ともに、治療の途中で中止すると再発する可能性があります。さらに、肝機能障害などの副作用も多く報告されているため、医師による問診および採決等の定期健診は欠かせません。多くは自費診療で実施されているため、治療を希望する方は必ず事前に医院へ確認するか、または専門の医療機関を受診しましょう。

 いかがでしたか。円形脱毛症は、悩んでいる患者さんは多いといわれているものの、治療法が確立していない疾患といってよいかもしれません。患者さんの状態に合わせて治療を選択します。また、治療の多くは自費診療になることが多いため、治療や診療方針については、信頼できる医師との連携が欠かせません。

あいおいクリニック皮膚科アトレ目黒では、軽症の場合から円形脱毛症の診察を実施しています。他院への紹介もいたしますので、お悩みの方は一度相談にお越し下さい。

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